東日本大震災から11年7か月

By 大脇 桂

10月11日、東日本大震災が発生してから11年7か月

◆人的被害・避難者数・避難指示

・2011年3月11日、国内最大規模となるM9.0の地震が発生し、大津波により東北地方の太平洋沿岸に大きな被害をもたらした。

・警察庁によると、2022年2月末現在、死者1万5900人、行方不明者2523人、死者不明を合わせて1万8423人(前回2021年3月10日現在、死者1万5899人、行方不明者2526人)。

・復興庁によると、2022年3月31日現在、震災関連死は1都9県で3789人(前回2021年9月30日現在3784人。前回比+5人)。震災関連死・直接死・行方不明者と合わせると合計2万2212人。都道府県別では、岩手県470人、宮城県930人(+1)、山形県2人、福島県2333人(+2)、茨城県42人、埼玉県1人、千葉県4人、東京都1人、神奈川県3人、長野県3人。年代別では、20歳以下9人、21歳以上65歳以下425人(+1)、66歳以上3355人(+4)だった。

・復興庁によると、2022年8月1日現在、避難者数は3万2269人。県外避難は2万4781人(福島県2万2727人、宮城県1405人、岩手県649人)。

・9月12日、岩手県警大船渡警察署は、陸前高田市広田町の大陽漁港付近の海岸で、行方不明者の捜索を行った。署員など11人が参加した。

◆裁判・訴訟

・9月29日、原発事故で福島県南相馬市から茨城県の国家公務員宿舎に自主避難した住民が、福島県から家賃の支払いを求められた裁判で、福島地裁は、住民に約284万円の支払いを命じる判決を出した。住民は、住宅の無償提供が終了した後も家賃を支払わず住み続けて、福島県から退去や家賃の支払いを求められていた。

◆事件・事故・不祥事・物議

・9月27日、2021年に発生した福島県沖地震の「中小企業等グループ補助金」の申請をめぐり、宮城県議会議員が県職員に口利きをした見返りに、水産加工会社「カネヨ山野辺水産」の社長から現金50万円を受け取ったとして、宮城県警は、県議と水産加工会社の社長をあっせん利得処罰法違反の疑いで逮捕した。水産加工会社の申請は、被災の実態に見合わない金額だったため交付されていなかった。同社は東日本大震災の「中小企業等グループ補助金」でも補助金を受けとっていて、県警は関連を調べている。「中小企業等グループ補助金」は東日本大震災をきっかけに創設され、災害で被災した企業がグループを作って復興事業計画を策定し、復旧費用の補助金を受け取る制度。

・10月5日、宮城県南三陸町の民間震災遺構「高野会館」の壁や窓ガラスなどが壊されていることがわかった。宮城県警南三陸警察署は、器物損壊事件の疑いで捜査する。

◆賠償・指針見直し

・9月26日、原発事故の賠償基準の見直しを行うかを検討している原子力損害賠償紛争審査会で中間報告が行われた。今後、最終報告がまとめられ賠償基準の見直しの可否を判断する。

・10月7日、東京電力は福島第一原発の処理水海洋放出に伴う風評被害の賠償の方針案を明らかにした。賠償の請求者の負担を軽減するため、東京電力が国や県の統計データをもとに調査・確認するとしている。東京電力は、年内に正式な基準をまとめるとしている。

◆トリチウムなどの放射性物質を含む処理水

・9月25日、東京電力福島第一原発敷地内にある日本原子力研究開発機構大熊分析・研究センターに、処理水やがれきなどの分析を行う施設が完成した。海洋放出を前に、日本原子力研究開発機構が第三者機関として廃棄物の成分の分析と結果の公表を行う。

◆廃炉・デブリ

・9月30日、東京電力ホールディングスは、同社の「原子力・立地本部」から福島第二原発(同楢葉町・富岡町)の廃炉部門を分離し、「福島第一廃炉推進カンパニー」と統合を検討していることが報道などで明らかになった。

・10月3日、東京電力ホールディングスは、福島第一原発の核燃料を取り出す設備を開発する新会社「東双みらいテクノロジー」をIHIと共同で設立したと発表した。

◆食品・風評被害

・10月3日、東京電力は福島第一原発の処理水を使ったヒラメの飼育試験を開始した。「海水」と「海水で薄めた処理水」の水槽で飼育し、今後、飼育の様子をライブ配信するとしている。

◆東日本大震災から11年6か月
https://nordot.app/941370824471134208

◆警察庁|平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の警察措置と被害状況(2022年3月10日)
http://www.npa.go.jp/news/other/earthquake2011/index.html

◆復興庁|震災関連死の死者数等について(令和4年3月31日現在)[令和4年6月30日公表]
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20140526131634.html

◆復興庁|全国の避難者等の数(所在都道府県別・所在施設別の数)[令和4年9月9日]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-1/hinanshasuu.html

◆広島大学|地球資源論研究室|東日本大震災-被災地-
http://earthresources.sakura.ne.jp/er/EV_TKJ(4).html

※情報は発信時点のもので、最新の状況と異なる場合があります。

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