FIAが2023年の暫定版ドライバー・カテゴライゼーションを発表。50名以上がシルバーからゴールドに格上げへ

 FIA国際自動車連盟は10月7日、2023年1月から有効となる、ドライバー・カテゴライゼーションのレーティング一覧を公開した。このリストでは、レーティング基準の見直しの一貫として、多くのドライバーがシルバーからゴールドへとアップグレードされている。

 177ページにおよぶこのリストは、SROモータースポーツグループが提案し、この夏にFIAが承認した新しいシステムが、来季のスポーツカーレースにおけるランアップとグリッドをどのように形成するかを示すものとなる。

 プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズから成るFIAによるドライバー・レーティングは、類似したドライバーをグループにまとめることで、世界中のチャンピオンシップが、それぞれのクラスでのドライバーラインアップに独自の要件を課すことを可能にしている。

 2023年1月1日付でシルバーからゴールドへと格上げされるドライバーは、じつに50人以上。これには、LMP2におけるエースであるロレンツォ・コロンボ、IMSAのGTDウイナーであるロビー・フォーリー、BMWジュニアチームのメンバーであるニール・フェルハーゲンとマックス・ハーぜ、ポルシェ・カレラカップ・ノースアメリカ王者のパーカー・トンプソンらが含まれている。

プレマ・オーレン・チームの9号車オレカ07を駆り、ル・マンではクラス2位となったロレンツォ・コロンボ

 さらに、2022年のファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSのシルバーカップのチャンピオン全員が、ゴールドへと昇格されている。

 このシルバーからゴールドへの大規模な移動はレーティング・システムの見直しの一環であり、幅広い経験レベルをカバーするシルバードライバーの大きな集団を解消するために導入されたものだ。

 新しいレギュレーションでは、これまでシルバーにレーティングされていた若いドライバーのうち、より速いドライバーはゴールドに格付けされることになった。

 FIAのルールブックによれば、最初のカテゴライズは各ドライバーの年齢とキャリアに基づいて行われ、その後「カテゴライズシステムを使用しているシリーズのレースペースと成績の記録に応じて」調整されることがあるという。

 そして、25名のドライバーがゴールドからプラチナにランクアップしている。

 これには、IMSA GTDプロのチャンピオンであるマシュー・ジャミネとマット・キャンベル、彼らと同じく来季はポルシェLMDhドライバーとなるデイン・キャメロン、キャデラック・プロトタイプレースのスター、ランガー・バン・デル・ザンデ、GTWCヨーロッパ/スプリントカップの3度のチャンピオン、チャールズ・ウィーツなどが該当する。

2022年よりポルシェのワークスドライバーとなったデイン・キャメロン

 また、新たにプラチナドライバーとなった者の多くはマニュファクチャラーと契約しており、これにはシェルドン・ファン・デル・リンデ(BMW)、ニクラス・ニールセン(フェラーリ)、ルカ・ストルツ(メルセデスAMG)、パトリック・ニーダーハウザー(アウディスポーツ)らが含まれている。

 プジョーLMHドライバーのグスタボ・メネゼスとミケル・イェンセン、BMW GTPドライバーのニック・イェロリー、ポルシェGT3のエース、クラウス・バチェラーとマッテオ・カイローリもプラチナに昇格している。

 ブロンズからシルバーに昇格するのは、アイアン・デイムスのサラ・ボビー、アメリカのリチャード・ハイスタンド、トーマス・メリル、コンラッド・グリューネワルドらだ。

 なお、ゴールドにレーティングされたヴァンサン・アブリル、シルバーのジョシュ・ピアソン、ダービッド・シューマッハー、ブロンズのチャールズ・クルーズら、何人かのドライバーのカテゴライゼーションについては、変更が検討されている。

 プラチナからゴールドへと格下げされたのは、昨年プロのレーシングドライバーからの引退を表明したオリバー・ギャビンと、元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ、2名のみとなっている。

2022年10月7日付で発表されたFIAドライバー・カテゴライゼーション(PDFが開きます)

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