手ぶらで釣りに来てOK 振興モデル港「青方港」オープン 新上五島に全国初

沖防波堤に設置されたスロープを降りる関係者ら=新上五島町沖

 長崎県新上五島町青方港の大曽岸壁で8日、国土交通省の釣り文化振興モデル港「青方港」のオープニングセレモニーがあった。岸壁から約100メートルの既存の沖防波堤(180メートル)を全国で初めて釣り場として整備。釣り具をレンタルし、船で防波堤に移動し、釣った魚は漁協が下処理し真空パックにして持ち帰ることができる。手ぶらで来て楽しむ釣りによる地域創生を目指している。
 同港は2020年8月、離島および本県で初めて「釣り文化振興モデル港」(全国16港)に選定された。釣り事業の運営を五島楽釣(らくちょう)上五島協議会(畑村信昭会長)が担い、事務局を上五島町漁協に置いた。
 釣り場は大曽岸壁(385メートル)と沖防波堤。沖防波堤には船から安全に上がるためのいかだとスロープを整備した。釣った魚をさばく場所とトイレを確保し、安全対策として救助マニュアルを策定して既に訓練を実施している。

関係者が沖防波堤に上がり釣り場を見学した=新上五島町沖

 式典には谷川弥一衆院議員や杉中洋一九州地方整備局副局長、平田研副知事ら関係者約50人が出席。テープカットをして祝った。稚魚を放流し、沖防波堤を見学した。
 平田副知事は「本県にとって離島地域の振興は重要。離島ならではの資源を生かした体験型の観光で、上五島の魅力を全国の人に感じてもらいたい」、石田信明町長は「観光の基盤整備に力を入れ、情報を発信し、観光客など交流人口の拡大を図っていく」と話した。
 釣り場は3~11月、午前9時~午後5時に利用できる。入場料は2千円(渡船料、保険料込み)。事前予約(平日利用は土日祝日を含まない平日の2日前まで、土日利用は前週木曜日まで)が必要。予約と問い合わせは町観光物産協会(電0959.42.0964)。


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