プジョー、ロシターのマセラティFEチーム代表就任に伴いWECバーレーンのラインアップを調整へ

 2022年シーズン途中よりWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスに参戦しているプジョー・トタルエナジーズは、ジェームス・ロシターのマセラティ・フォーミュラEチーム代表就任を受けて、11月10~12日に行われる今季最終戦バーレーンのドライバーラインアップを調整することになったようだ。

 プジョーワークスドライバーのひとりであるロシターは、プジョーにとって初のWECハイパーカー参戦となったモンツァ6時間に続き、日本ラウンドの富士6時間レースに出場。ロイック・デュバル、グスタボ・メネゼスとともに94号車プジョー9X8をドライブした。

 これまでDSテチーター・フォーミュラEチームのスポーティング・ディレクターを務めていたロシターは11月7日、マセラティMSGレーシングチームの新チーム代表に任命された。マセラティとプジョーの両ブランドは、どちらもステランティス・オートモーティブ・グループ傘下にある。

「この先、僕はドライバーとしてのプロフェッショナル・キャリアを終えたいと思っている。そうすれば(マセラティでの役割に)全力を注ぐことができるし、それが正しいことだと思う」とロシターは語った。

「この機会を利用できるようにするために、ステランティスとプジョーのサポートがあったことは明らかだ」

「そういう面では正しいことだと思う。だから、僕はプジョーのためにレースで走ることはないだろう」

 ロシターは当初、プジョーLMHプログラムの開発兼リザーブドライバーとして契約していたが、ケビン・マグヌッセンがF1復帰を目指すために今年初めにチームを去ったため、モンツァと富士でのレースドライバーに昇格していた。

 プジョーは現在までにドライバーラインアップについてのアナウンスを行っていない。チームの広報担当者はSportscar365に対し、バーレーンでの取り組みについて数日中に詳細を明らかにする予定だと述べた。

 元アウディワークスドライバーで、プジョー入りを果たしたニコ・ミューラーは、フランス車メーカーのテストチームへの参加、および2023年のレースラインアップの一部を形成するための契約を結んだことを考えると、ロシターの代役を務めることが予想される。

 Sportscar365は、WECのLMP2チームであるベクター・スポーツのドライバーでもあるミューラーが先週、モンツァで行われたテストでプジョー9X8での最初のラップを経験したことを理解している。

2023年のレースドライバーとしてプジョーと契約したニコ・ミューラー。2022年は開発チームに参加

 マセラティの最新のフォーミュラE発表の中で、ロシターは次のようにコメントした。

「僕はステランティスと一緒に仕事を続けていくことを楽しみにしている。そして、新しい役割に完全に集中できるよう、継続的なコミットメントから解放してくれたプジョーに感謝している」

 ロシターのチーム代表としての“初陣”となる2022/2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン開幕戦は1月14日、メキシコで開催されるメキシコシティE-Prixだ。

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