22日から埼玉県で始まる関東高校野球大会に向け調整を進める横浜。春の選抜が懸かる勝負とあって、今の練習は秋らしからぬ完全な実戦モードだ。そこで苦労しているのが、秋の県大会からレギュラーに定着した1年生野手2人。状況によってさまざまな判断が求められる「横高野球」の習得に、頭脳もフル回転している。
「おいおい、その送球判断一つで試合に負けてるぞ」
「なんでそこで三塁に行こうとする? 二塁打打ったって、それじゃ何の意味もない」
厳しい言葉の先にいるのは、1年の井上葵来と上田大誠だ。
ともに夏の甲子園ではベンチ外。新チームとなった秋の県大会から出場を重ね、終盤には先発に名を連ねるようになった。
慶応との決勝には井上が3番サード、上田が7番レフトで先発。五回に先頭の上田が中前打で出塁し、2死後に井上が左翼越え2点二塁打。先発の杉山遥希が立ち上がりに苦しんだ中、2人の活躍で逆転劇を演出した。
それぞれ、自らのアピールポイントを「後ろのバッターにつなげる足」(上田)、「チャンスで1本打てる打撃」(井上)と自認する。有望選手がひしめくチーム内で抜てきされたのは、1年らしからぬ高い攻撃力があるからだ。