「けしからんこと。早く除去しないと安心して生活できない」熱海土石流の起点に残る盛り土 撤去の行政代執行開始 2023年5月末までの完了目指す

2021年7月、静岡県熱海市を襲った土石流災害。土砂崩落の起点に残ったままの盛り土を撤去するため、静岡県による行政代執行が10月11日に始まりました。土砂撤去などにかかる費用は、最終的に15億円ほどに膨らむ可能性もあります。

<静岡県 難波喬司理事>

「ただ今から行政代執行法第二条の規定に基づき、行政代執行を開始します」

11日午前10時20分、静岡県の宣言によって行政代執行が始まりました。行政代執行の目的は、2021年7月、熱海市で発生した土石流の起点となった盛り土の撤去です。

<瀬崎一耀キャスター>

「1年3か月前、ここから大きな災害が起こりました。木々の中にある盛り土の不自然な姿は変わらず残っています」

現場には今も崩れずに残った不安定な盛り土が約2万立方メートルあります。県は盛り土を造成したとして、前の土地所有者である不動産会社「新幹線ビルディング」に土砂の撤去を求める措置命令を出していましたが、不動産会社の代表はこれを拒否。県は11日、代執行に踏み切り、手始めに草の伐採などが行われました。今後、土地の測量などを行い、12月頃から土砂の撤去を始める予定です。

<静岡県 難波喬司理事>

「株式会社新幹線ビルディングに撤去していただきたかったが、撤去していただけないことが明確になってきたので、やむを得ず行政代執行するということになりました」

<静岡県 川勝平太知事>

「けしからんことだと思います。あれだけの大きな災害を起こしたわけですからね。そしてまだ、2万立方メートルという何が起こるか分からない盛り土が残っているわけですから。これは早く除去しないと下流に住む人は安心して生活できない」

県は行政代執行を2023年5月末までに終えたいとしています。

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