ラゾーナ川崎で鎌切りつけ、被告に懲役7年判決「危険で悪質な犯行」 弁護側は即日控訴

横浜地裁

 川崎市幸区の複合商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」で2020年、鎌で女性に切り付け大けがを負わせたとして、殺人未遂罪に問われた同区、無職の被告の女(30)の裁判員裁判の判決公判で、横浜地裁(奥山豪裁判長)は11日、「危険で悪質な犯行」などとして懲役7年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。 

 裁判では、殺意の有無と、責任能力の有無や程度が争点だった。奥山裁判長は、被告が女性を追いかけて複数回鎌を振り下ろし、頭付近を切りつけており、「人を殺して刑務所に行こうとした」などの供述を踏まえ殺意を認定した。

 責任能力は、統合失調症の症状で自暴自棄となり犯行に及んだとする一方、幻聴の内容は他人を傷つける命令ではなかったとし、凶器を選び背後から切りつけるなどしていて「目的に沿った行動をしていた」と指摘。「統合失調症の影響は受けていたが程度は大きくなく、完全責任能力が認められる」とした。

 弁護側は、判決を不服として即日控訴した。

 判決などによると、被告は20年12月24日、同施設で殺意をもって、女性会社員=当時(24)=の頭や首を刃体約18センチの刈払鎌で複数回切り付け、頭などに約200日のけがを負わせた。

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