インバウンド需要を取り込め あの手この手の対策とは

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2022年10月11日、外国人による訪日個人旅行が解禁され、同時にビザの免除や、1日の入国者数上限撤廃などが実施された。約2年半ぶりのことで、ようやくコロナ禍前の訪日観光が復活する兆しが見えてきた。

こうした動きを受け、メインとなる旅行会社や旅館、ホテルなどで期待が盛り上げる中、関連のさまざま業界でも、この流れに乗ろうとあの手この手が打たれている。どんな動きがあるのか。

インバウンド関連の情報を発信

インバウンド(訪日外国人観光客)関連の求人サイト「やまとごころキャリア」を運営する、やまとごころキャリア(東京都江東区)は、2022年10月11日に、若い利用者が多いインスタグラムを通じて、インバウンドや観光に関する業界情報、転職説明会などのイベント情報、おすすめの求人情報などの発信を始めた。

語学力や観光業界での経験を活かせるインバウンド関連の求人が急増していることを受けて、若者にアピールできる媒体で情報を発信。インバウンド関連や観光業界などに就職、転職したい人達を支援する。

ガイド向けの業務支援アプリを配布

プライベートツアーサービスを展開するotomo(東京都千代田区)は10月11日に、コロナ禍で長期休止していたサービスを再開するとともに、同サービスに登録するガイド向けの業務支援アプリ「otomo guide App」の配布を始めた。

ガイドの負荷軽減を通じてサービスの品質を高めるのが狙いで、ガイドツアーへの応募や予約確認、事前準備、ツアー当日の集合、解散連絡などを、一つのアプリで行えるようにした。

同社ではプライベートツアーという旅のスタイルを提供し、旅行者の周遊、滞在を促進することで、地域経済の拡大に寄与することを目指すとしている。

アジアユーザー向けのキャンペーンも

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイ(大阪市)は10月11日に、同パークにAlipay+(アリペイプラス)を導入した。

アリペイプラスを介して、中国のアイペイをはじめ香港のアリペイホンコン、韓国のカカオペイ、フィリピンのジーキャッシュ、シンガポールのイージーリンク・ウォレット、マレーシアのタッチン・ゴー・イーウォレット、タイのトゥルーマネーウォレットなどがパーク内での支払いに使用できる。

同社ではアリペイプラスを活用して、アジアユーザー向けにクーポンを配布するなどのキャンペーンを実施することでパークへの効率的な集客を目指すという。

集客合戦が本格化

インバウンド集客事業などを手がけるTokyo Creative(東京都墨田区)は、2022年9月に自治体や企業から同社に寄せられた問合せ件数が、2022年7⽉比約2倍に急増したことを明らかにした。

訪日外国人観光客の集客を考える自治体や企業の期待が高まったことが要因と分析しており、「いよいよインバウンドが戻ってくるという波を感じる」という。

これからさまざまな分野で訪日外国人観光客の集客合戦が本格化しそうだ。

文:M&A Online編集部

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