「御蕎印(ごきょういん)」で福井のそば知って―。おろしそばの味に魅了された千葉県の男性が、寺社の御朱印のように、福井県内のそば店を巡り各店の印を集める回遊企画の準備を進めている。店ごとの歴史やこだわりを表した「御蕎印」を作成し、福井のそばの認知度向上や観光活性化につなげる。福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で、10月24日まで資金を募っている。
都内で太陽光発電関連の会社を経営している笠原翔太さん(33)=神奈川県横浜市出身、千葉県在住=は、7年前に福井を訪れた際に食べたおろしそばの香りと味に「体がのけぞるほどの衝撃を受けた」という。おいしさを県内外の多くの人に知ってほしいと考え、今回の御蕎印プロジェクトを企画した。
参加店のオリジナル御蕎印のほか、御蕎印を押す帳面も越前和紙を使ったり、恐竜をデザインしたり趣向を凝らして数種類作る予定。プロジェクトのポータルサイトやチラシ、のぼりの作成、県内外でのイベント開催などを含め、資金の支援を募っている。
笠原さんは「おろしそばを提供している一つ一つの店に個性があり、御蕎印を集めることで新たな出合いが生まれる。プロジェクトが福井の活性化に結びついてほしい」と話している。
CFの目標金額は200万円で、5千~10万円の9コースあり、返礼品は家庭で食べられるおろしそばセットや参加店の食事券、そば用の箸などを用意している。
【ミラカナ】福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でさまざまなプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして2018年に福井新聞社、福井銀行、レディーフォーが連携して始まった。21年からは福邦銀行も事業に参画した。累計支援額は1億5千万円、プロジェクトの達成率は94%(22年9月末時点)。