「住み続けたい」9割 藤沢市転入者アンケート 自然豊かで交通便利、人口増にも直結

住む場所としても人気が高い藤沢市の海岸エリア

 子育て世代の転入を背景に人口増加が続く神奈川県藤沢市。市が転入者を対象に11日までに実施したアンケートでは、「住み続けたい」と回答した人の割合が9割近くに上り、定住意欲の高さが鮮明になった。風光明媚な相模湾を望む豊かな自然や都心直結の鉄道アクセスなど、湘南のイメージと暮らしやすさが相まって、持続的な人口増につながっているようだ。

 同市に転入して良かったかとの問いに対しては、「とても良かった」「良かった」がそれぞれ37.1%、47.3%と84.4%を占めた。「今後も住み続けたいか」を聞く定住意欲は、「このまま住み続けたい」「まだしばらくは住み続けたい」との回答がそれぞれ37.8%、50.3%と9割近くに達した。

 転入のきっかけ(複数回答)は「住み替え」が38.9%と最も多く、転入の際に重視したことは「交通の便がよい」が49.9%と半数を占め、「自然が豊か」45.1%、「子育てがしやすい」と「治安がよい」が各21.0%だった。

 同市以外に転入先として考えた市区町村(同)は、横浜市が40.0%と最多だったが、同じ湘南エリアで隣り合う茅ケ崎市と鎌倉市がそれぞれ32.8%、33.0%と65.8%を占めた。

 藤沢市の魅力(同)については、「海・田園・川などの自然が豊か」が77.5%で断トツに多く、「道路や交通の便がよい」(44.1%)、「公園や広場などの遊び場が充実している」(31.7%)、「子育てがしやすい」(19.2%)など都会的な暮らしやすさの評価も上位を占めた。

 定住するかどうかの決め手となる市への愛着度については、「とても好き」と「やや好き」がそれぞれ37.4%、45.6%と8割以上に上った。

 民間の各種調査でも、住む場所としての同市の人気が裏付けられており、リクルートが10月4日に公表した首都圏の「住み続けたい街(駅)」調査では、同市の江ノ電湘南海岸公園駅が1位で、同線の鵠沼と石上の2駅がトップ10入りした。

 市広報シティプロモーション課は「住んで良かったという実感が定住意欲や地元愛着度の高さにつながっているのではないか」としている。

 アンケートは22年1月1日以降に同市に転入した18歳以上90歳未満の市民463人から回答を得た。

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