佐世保駅―相浦間の「速達」路線バス 11月から社会実験 西九州自動車道を活用

路線バスの社会実験運行ルートと停車バス停(佐世保市提供)

 長崎県佐世保市は、西九州自動車道を活用し、市中心部のJR佐世保駅前と市北部の相浦地区を「速達」で結ぶ路線バスの社会実験を11月1日から始める。現行路線と比べて最大13分の時間短縮ができると試算。来年3月末まで毎日運行して需要を調べ、速達便の本格的な導入が可能か検証する。
 市内全域で路線バスの運行を続けるために策定した同市地域公共交通持続化実施計画の一環。運行は西肥自動車(西肥バス)の高速バス車両を使う。
 ルートは陸上自衛隊相浦駐屯地が発着点。相浦中里インターチェンジ(IC)から佐世保中央ICまで西九州自動車道を通り、佐世保駅前で折り返した後、SSKバイパスを経由して同駐屯地に戻る右回りのルートと、反対方向に走る左回りのルートを運行する。
 運行する時間帯は午前9時台から午後4時台の間。右回りルートで1日3往復、左回りルートで同2往復する。具体的なダイヤや運賃は25日までに市や西肥バスのホームページに掲載する。
 市によると、現行の路線バスは、相浦地区の木宮町と佐世保駅前を30~32分で結ぶ。速達の社会実験では、この区間を19分で結び、11~13分の時間短縮を見込む。
 路線バスを巡っては、3月のダイヤ改正で利用者から利便性の低下を指摘する声が出ており、市は来春の改善に向けて西肥バスと協議している。市地域交通課は「社会実験はあくまで速達性を高めるための取り組み。社会実験とは別にダイヤの改善は進めていく」としている。


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