【会見全文】「野手、投手、若手全員に期待」カープ 新井貴浩新監督が就任 背番号は「15番ください」で会場沸かす

カープの新井貴浩新監督が、12日午後1時から会見に臨んでいます。その内容を詳しくお伝えします。

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●冒頭 新井新監督から
「みなさん、こんにちは、来シーズンからカープの指揮をとることになりました、新井です」

●就任会見の日を迎え、今の心境は?
「マツダスタジアムにきょう入ったのですが、入った瞬間から少しドキドキ、ワクワクした気持ちになってきました」

●いつごろ監督就任の打診を受けた?また話を受けてから就任を決断するまでどれくらいかかった?
「順位が決まったあたりに、そのあたりからお話をいただいた。決断するまでの期間は、正直驚いたが、私は、一回カープを出ているので、それでもまた球団のほうに戻って来いというふうに言っていただいて、そこから3連覇もさせていただいて、球団には大きな恩がある。私には(断る)選択肢はなかったです」

●将来のカープのことも考えて2018年に引退を決断した。解説者という立場から、この4年間のカープはどのように見えていた?
「一緒にプレーした選手もまだプレーしているし、また新しく入ってきた選手もいるが、外から見ていて、楽しみなチームだと感じていたし、若手にしてもまだまだできる若手がたくさんいるなというふうに感じていた」

●どんなチームを目指したい?
「もちろん、強いチームは当然ですが、ファンの方々が見ていて、ワクワクするようなチームにしたいと思っています」

●コーチなどを経ずに監督就任となるとカープでは野村謙二郎さん以来となる。プレッシャーは?
「もちろんあります。もちろんありますが、そのあたりの覚悟はできています」

●理想の監督像は?
「まさにその質問が来ると思ったが、自分で考えても、どの監督を目指しているというのはピンと来ない。なので、自分らしくというか、肩ひじ張らずに自分らしくやっていくなかで、気づいたらそういう監督になっていたということで、みなさんが評価してくれるのではないかと思っている」

●カープは3連覇後、4年連続のBクラス。どのくらいの期間で、どんな成果を出すというビジョンは?
「なかなか難しい質問ですね。もちろん、来年戦いながら、精一杯たたかいながらは基本になるが、中期的・長期的なことを考えながら指揮をしていかないといけない。ただ、基本的には、目の前の一試合、一試合を、その積み重ねだと思う。選手たちにはいま言った通り、目の前の試合をとにかく全力で頑張ってくれと言いたいし、そこをマネージメントしていくのが私であり、コーチだと思っている」

●現役時代に一番お世話になった存在と言っても過言ではない山本浩二さんとは何かお話しされた?
「もちろん浩二さんには一番に報告の電話をしました。『大変じゃけど頑張れよ。何かあったら相談に乗るから』と言っていただいた」

●現役時代を共にした選手から今も非常に慕われていて、距離も近かった。監督という立場になって、どのような関わり方をしていこうと考えている?
「一緒に現役をプレーした選手たちもたくさんいるし、彼らは、自分が現役の時にどのような考えでどのようにプレーしてきたかというのを一番まぢかで見てきたと思う。多分、これは厳しいぞと思っているんじゃないですかね」

●期待している若手選手は?
「若手選手全員に期待している。名前とかではなしに、全員に期待している。一軍二軍関係なしに全員フラットな目で見て行こうと思っている。野手も投手も全員期待しているし、また一度、フラットな目で見たいなと思います」

●コーチとも密にコミュニケーションをとりながらの指揮になると思うが、コーチ陣に求めたいことは?
「私もそうだが、勝つためにはどうしたらいいかっていうのをまずは優先順位の1番にして考えてほしい。起用とか采配とかいろいろあると思うが、第1番は、勝つためにどうしたらいいかを考えてもらいたいし、自分もそのように考える」

●ドラフト会議が来週に控えているが、出席する?競合した場合の抽選は新井監督自身がする?
「私も出席する。競合しないことを祈っています(笑)競合しないことを祈っています(笑)」
(記者陣 笑いに包まれる)

●早い復帰に喜んでいるファンも多いが、再びユニフォームへ袖を通すことになったのは自分のイメージより早かった?
「タイミングというか、そもそも、想定していなかったことですので、全部のことに驚いていますね」

●監督として、選手たちに伝えていきたいことは?選手たちにどんなビジョンを持ってほしいと考えている?
「先ほども言いましたが、とにかく私自身も勝ちたいですし、勝つために、カープのために、今の自分でなにが精一杯できるのか常に考えてもらいたいですし、勝つためになにがベストか、カープのために何がベストなのか、そこは、一年単位ではなしに、何年ユニフォームを着ているかわからないが、中・長期的なビジョンを自分の頭に入れてやっていきたいと思っている」

●カープファンにメッセージを。
「カープファンのみなさまへ、マツダスタジアムを真っ赤に染めてほしいです。
そして、選手に力をください。私たちは、みなさんを喜ばすし、
またみなさんの気持ちを、真っ赤に燃えさせるように頑張っていきたいと思っています」

●どのような練習を?
「質も量も大事だが、プロの世界は厳しいから、またカープの伝統として、猛練習という伝統があるので、量も質も両方追いかけていきたい。寝ていてはうまくならない、しっかりたっぷり汗を流してもらいたい」

●スケジュール感は?意気込みは?
「今すぐにでも練習に参加したいが、スケジュールがあるので、球団と調整しながら、できる限り皆と早くコミュニケーションを取りたいと思っている」

●地元広島で、同じ県立広島工業高校。同じ高校から2人の監督がでるのは珍しい。高津ヤクルトをどのように倒したい?
「難しい質問ですね。広島の同じ高校からセ・リーグの2つの球団の監督に同時にいるのは、すごく珍しいことだと思う。高津さんは連覇されてますし、ヤクルトも、若手・ベテラン・外国人選手、すごくバランスのいいチームだと思う。すごく強いですし、そこにどう立ち向かっていくかというのはいまから考えていきたい。高津さんは高校の先輩なので、アドバイスいただけるかなと思っている」

●3連覇のときのような強さを取り戻すために何が必要?
「まずは、若手の底上げというか、力をつけさせることが大切だと思っている。ただシーズンは長いので、3連覇した時がそうであったように、若手だけでは勝てない。あのころも、若手・中堅・ベテラン・外国人選手がすごくバランスのいいチームだったので、なにごとにおいてもバランスを大切にしていきたい」
「全てにおいて言えること。一試合一試合のゲームのバランスもそうだし、シーズン中も1年単位で考えたとして、シーズン中の序盤、中盤、夏場以降の後半でもそういうことを念頭に置きながら、ピッチャーの起用や采配もやっていきたい。目の前の戦いには一生懸命、全力で戦うが、同時に1シーズンでも、中・長期的なビジョンをもって戦いたい」

●今日のネクタイは自分で選んできた?
「そうですね、はい、自分で(選んだ)。小さいころから、私は広島で、カープファンでしたし、『どれか色を選びなさい』と言われた時に小さいころから、一番目は赤でしたし、きょうも赤です」

●現在のカープの強みとウィークポイントを新井監督からどう見ている?
「まずは強みなんですが、投手も野手も、これからという選手はたくさんいる。ポテンシャルの高い選手もたくさんいると思います。そこは、楽しみです。ウイークポイントとしては、今年の戦いのなかもそうだったんですけど、カープの昔からの伝統の野球というと、グラウンドを走り回る野球。私も小さい頃にそういう野球を見てきてますが、そういった面では、走るという面では、寂しかったなと思う。これは、足が速い遅いではなく、盗塁ができるできないではなく、もっと走塁の意識というのを持ちながら、打つ方と走る方、両方の面で、相手チームにプレッシャーをかけられるような、そんなチームにしたいと思っている」

●監督らしい番号をつけるとしたら何番?
「(笑)球団の方には、『背番号何番がいい?』と聞かれたので、(黒田博樹さんの永久欠番となっている)『15番をください』と言ったのですが…」
(記者陣 笑いに包まれる)
「鈴木さん(球団本部長)は、『本人に言ってくれ』というふうに言われましたが、私、直には怖くて言えないので」
(記者陣 笑いに包まれる)
「まだ何番かは決まっていません」

「ありがとうございました」

新井新監督は、きょうこのあと、RCCテレビ「イマナマ!」にも生出演する予定です。

【新井貴浩新監督】
1998年ドラフト6位でカープに入団。猛練習で技術を培い通算2203安打をマーク、本塁打王や打点王にも輝いています。

ベテランの域に入ると、その技術のみならず、人間性とリーダーシップでリーグ3連覇に大きく貢献、特に2016年には、最優秀選手に選ばれています。

チームを「家族」と表現するハートは、ファンやチームメイトの心をつかんで離しませんでした。

WBCやオリンピックなど国際舞台での活躍や、日本プロ野球選手会会長など、豊富な経験で、野球界でも人望・実力ともに一目置かれる存在となりました。

野球解説者としても、培った野球観や愛情を存分に発揮、選手をリスペクトしながらも勝負の流れを見極める眼力に、ファンからもユニフォーム姿を待望する声が聞かれていました。

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