「盗んだカツオで船一隻が簡単に作れるという噂」焼津港・冷凍カツオ盗で“第三のルート”摘発 「関わった人は全部名乗り出て」地元からは落胆の声

静岡県の焼津漁港を舞台とした冷凍カツオの窃盗事件をめぐり、10月11日、新たに“第3のルート”に関わったとされる5人が逮捕されました。“魚のまち”静岡県焼津市では、新鮮なカツオを楽しむフェアが開かれていて、関係者からは落胆の声が聞かれます。

脂が贅沢に乗った焼津のカツオ。焼津市では、9月30日から「鰹三昧フェア」が開かれていて、市内20店舗以上が参加し、自慢のカツオメニューを提供します。この焼津の街をあげたイベントの期間中、水を差す事態が…。

<竹川知佳記者>

「容疑者が4、5人の捜査員に連れられ、車に乗り込んでいきました」

10月11日、窃盗の疑いで逮捕されたのは、高知県に本社を置く水産加工会社の元会長や地元の水産加工会社の元常務。さらに、運送会社の社長らも逮捕されています。5人は2021年3月、焼津市の船会社が水揚げした時価424万円相当のカツオを盗んだ疑いが持たれています。被害側の代理人弁護士が12日、取材に応じました。

<河村正史弁護士>

「損失補填と言えばすべて通ると、持って行っていいと、極端に言えばそうした状況が長年にわたりあった。捜査が進めば進むほど腹が立つ」

焼津港を舞台としたカツオの窃盗事件をめぐっては、すでに2つのグループが摘発されていて、漁協は20年以上前から抜き取りがあったことを明らかにしていました。

<滝澤悠希キャスター>

「そして、今回の第3のルートは、一連の窃盗の中でも、被害額が最大規模という話も聞かれます」

焼津港にカツオを水揚げする、水産関係者の間では「第3のルート」をめぐる噂が長らくありました。

<焼津港に水揚げをする水産関係者>

「一番最初に(窃盗を)噂されていた大手の方々でしたので、やっとかという感覚があります。長年にわたっての話なので、(盗んだカツオで)船一隻が簡単に作れるという噂」

漁業関係者の逮捕が相次いでいる焼津港。地元の飲食店は、事件の全容解明と焼津カツオのブランドイメージの回復を切に願います。

<大漁やまちゃん 山口久美子さん>

「関わった人は全部名乗り出て、罰を受けるなりなんなりして、早く収まって欲しい」

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