“住民の大切な道”黄瀬川大橋崩落から1年3か月 本格復旧に向けた工事始まる【現場から、】

2021年7月、豪雨の影響で橋脚が崩れ落ちた「黄瀬川大橋」。崩落から1年3か月、ようやく本格的な復旧に向けた工事が始まりました。

静岡県沼津市と清水町をまたぐ黄瀬川大橋。2021年、橋脚が流された橋の架け替えに向け、10月11日から工事が始まりました。まずは下草の刈り取りや測量が行われ、これから復旧に向け、作業が本格化します。

<中西結香記者>

「清水町の黄瀬川を渡る橋です。大雨の影響でしょうか。橋が崩れ落ちています」

静岡県東部を中心に被害が出た2021年7月3日の豪雨。黄瀬川大橋は、橋脚が傾き、橋が折れ曲がりました。その後、崩れた部分に応急組み立て橋を設けて仮復旧し、車と歩行者は、通れるようになりました。しかし、依然として通行には制限があり、車両は7.5トン未満と大型トラックなどは通れません。

<静岡県沼津土木事務所工事第一課 鈴木健支班長>

Q狭いですね

「ここは自転車は押して歩くようにしてもらっている」

Q怖い気もする。雨が降ると滑る

「滑ります」

現在は、歩道は狭く、また路面も滑りやすいため、できるだけ早い本格復旧が求められています。

<静岡県沼津土木事務所工事第一課 鈴木健支班長>

「これからこの下流側に仮橋を設置する工事を進めます」

工事の手順です。

まず、現在の橋の下流側に幅9m、片側1車線の仮橋を設置。幅2mの歩道もあわせて整備されます。そして、周辺地権者の協力を得て現在の橋を迂回する形で道路を付け替えます。その後、橋を新しく架け替える工事を進めます。

<静岡県沼津土木事務所工事第一課 鈴木健支班長>

「出水期である6月から10月、この時期は水の流れが速いので、それまでに橋脚、橋を架けて、6月からの出水期は橋につなぐ道路の工事をやります」

2021年7月に橋が崩れたように、雨の多い時期の工事は危険が伴います。2023年の梅雨までに仮橋本体の工事を終えなければならず、時間的な余裕がありません。一方、設置される仮橋では、通行制限はなくなります。橋を使う人も復旧に期待を寄せます。

<トラック運転手>

「(不便だという話を)聞きますね。いちいち回ってこないといけないとか、ありますよ」

<住民>

「早く直るといいなあ、と思います」

<自転車の高校生>

「いちいち降りるの面倒なのでできれば自転車でそのままスムーズに行けるようになってほしい」

<静岡県沼津土木事務所工事第一課 鈴木健支班長>

「この橋を利用されている方、周辺の方々にご不便をおかけしますので、県としても早く供用開始できるように(工事を)進めていきたいと思います。ご協力をお願いします」

1日あたり3万台を超える車両が利用するという地域にとってまさに大切な黄瀬川大橋。この仮橋の運用開始は2023年秋の予定です。

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