川崎市内の公園で、子どもたちがボール遊びしやすいように環境整備が進められている。本来は周囲に迷惑をかけなければ認められているが、禁止看板を見て、誤解や遠慮する子どもも多いという。そこで市は、地域住民の理解を得た上で看板の表記を変更し、条件付きで遊べることを周知している。子どもたちからは「遊びやすくなった」と歓迎する声が上がる。
9月28日夕、同市川崎区の貝塚公園では小学生7人がドッジボールをしていた。周囲で遊ぶ別グループの子どもたちとぶつからないように場所を選び、注意しながら楽しんでいる様子だった。
かつて同公園の看板は「ボール遊びは迷惑になるのでやめましょう」と表記されていた。しかし、市は2020年6月、老朽化して取り換える際に「ボール遊びは、まわりの迷惑にならないように注意して、ゆずりあって行いましょう」と変更した。
近くに住む男児(11)は「看板が変わって遊びやすくなった」と笑顔を見せ、「うるさくならないように気を付けたい」と話した。
公園でのボール遊びに関する市の基準では、「集団または複数で行う練習や試合」「硬いバットやボールを使用する行為」などが禁止され、野球やサッカー、バレーボールなどを例に挙げる。ただ、公園には自由利用の原則があり、周囲に迷惑をかけなければボール遊びはできるという。
それでも、「ボール遊び禁止」「野球、サッカーは禁止」などと表記した言葉足らずな看板が子どもたちにボール遊びをしにくくさせている。近年はボール遊びできる場所を求める市民の声が増え、市は同年4月から看板の表記変更や撤去に着手。住民に本来のルールを説明して理解を得て、約60カ所で実現した。