里見「悔しいが、今後の糧に」 女性初「棋士」挑戦も及ばず

棋士編入試験の対局を終え、記者会見する里見倉敷藤花=13日、大阪市・関西将棋会館

 将棋の里見香奈倉敷藤花(30)=清麗、女流王座、女流王位、女流王将と合わせた女流五冠=は13日、大阪市の関西将棋会館でプロ棋士編入試験5番勝負の第3局に臨み、狩山幹生四段(20)=倉敷市=と対戦して敗れた。里見倉敷藤花は対戦成績0勝3敗で不合格となり、女性初の棋士誕生はならなかった。

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 里見倉敷藤花は、プロ棋士編入試験5番勝負の第3局終了後、関西将棋会館で記者会見した。3連敗で不合格になったことに「実力が及ばなかった。悔しい気持ちはあるが、今後の糧にしたい」と述べた。

 女性初の「棋士」を目指した今回の挑戦。周囲から注目を集める環境だったが、プレッシャーを感じることはなく「程よい緊張感があった。大きな舞台で対局させてもらい、貴重な経験になった」と振り返った。実力不足と感じた点について「中終盤のねじり合いで読み負けている部分があった」と指摘した。

 女流棋界で八大タイトルのうち、倉敷藤花など五冠を持つ第一人者。8月から月1回のペースで行われた編入試験と並行し、女流棋戦にも臨み、過密日程をこなした。「対局が多いのは間違いないが、どのような状況でも変わらず力を発揮できないと、本当の強さではない」と語った。

 女流棋士枠で出場している公式戦で、直近成績が「10勝以上かつ勝率6割5分以上」の条件を満たせば、編入試験に再び挑戦できる。その可能性については、今回が「最後の挑戦」との思いだったことを打ち明け「多分、今後考えることはないと思う」とした。

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