非正規公務員の6割が年収200万円以下「やりがい搾取が横行」 半数超は「正職員とほぼ同じ仕事」 かごしま自治労連調べ

 かごしま自治労連(鹿児島県自治体関連労働組合総連合)は、県内で働く非正規公務員(会計年度任用職員)に実施したアンケート結果をまとめた。約6割が年収200万円以下で、低い賃金と不安定な雇用に悩んでいることが分かった。

 県内自治体の会計年度任用職員を対象に5月末から、用紙とオンライン方式で調査。8月初旬までに回答した147人分を集計した。

 回答者の65%が女性で、年代は50代が33%と最多。勤続年数は5年以上が5割を占め、15年以上も11%いた。「正職員の指示を受けない専門的な仕事」や「正職員とほぼ同じ仕事」をする人は半数を超えた。職種は一般事務のほか、保育士や図書館司書など専門性の高い業務も目立った。

 回答者の7割以上が仕事にやりがい・誇りを持っているが、6割が年収200万円以下だった。収入で家計をまかなっている「主な家計維持者」を「自分」とした人は48%いた。

 改善を求めることとして「賃金アップ」「退職金やボーナス」「継続雇用」を挙げる人が多かった。自由記入欄には「正職員と全く同じ仕事をしているのに意見も求められない」「10年以上勤務しても1年目と月給は同じ」「公募すれば替わりはいくらでもいると言われた」などの声が寄せられた。

 小柴健介書記長は「やりがいに見合わない低い賃金で『やりがい搾取』が行われている。働く人を弱い立場に追いやる会計年度任用職員制度の改革に取り組んでいきたい」と話した。

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