「楽器救出のためずぶ濡れに」文化センターでスプリンクラー突然作動し 楽器が水浸し…100点以上破損、けが人も 原因分からず 裾野市の対応に楽団が強い憤り

オーケストラの大切な楽器が水浸しに。いったい、何が起きたのでしょうか。9月24日に静岡県裾野市のホールで突然、スプリンクラーが作動したことについて、被害を受けた楽団が裾野市の対応について怒りを訴え、疑問を呈しました。

美しいメロディを奏でる「シンフォニエッタ静岡」。東京や大阪などで定期公演を行うこの楽団が突然の悲劇に襲われました。

9月24日の午後1時頃、裾野市民文化センターでステージ天井のスプリンクラーが突然作動。1時間後のコンサートに向けて準備を進めていた「シンフォニエッタ静岡」のメンバーが被害にあったのです。

<シンフォニエッタ静岡 指揮者 中原朋哉さん>

「ポンプの音がしてスプリンクラーの水が出てきた。みんな楽器を救出するため、ずぶ濡れになっている」

シンフォニエッタ静岡によりますと、この事故で1人が肩を骨折し、4人が滑って軽傷、多くのメンバーが精神的な不調を訴えています。

スプリンクラーの水には、小石やほこりが混じっていて、シンバルやティンパニなどの打楽器や弦楽器など合わせて100点以上が破損しました。

<シンフォニエッタ静岡指揮者 中原朋哉さん>

「他にないもので、なるべく修理して使いたいが、音が変わったとかの状況がある」

実は今回の事故には、大きな謎が残されています。原因が分からないのです。裾野市によりますと、スプリンクラーの故障は確認されておらず、何者かが故意にスプリンクラーを作動させた疑いにまで言及しています。

<裾野市 勝又明彦教育部長>

「舞台上のスプリンクラーは自動で作動することはありません。必ず手動操作が必要になっています」

Q.スプリンクラーを開ける弁の場所を知っていて、何かしないと作動しない

「はい」

Q.故障の箇所はないから、誰かがやっている?

「という事も考えられるので、警察に相談している」

これに対し、被害にあった楽団は、実情は全く違うのではと疑問を呈します。

<シンフォニエッタ静岡 指揮者 中原朋哉さん>

「オーケストラの関係者が(スプリンクラーの場所に)誰もいなかったと確認している。以前からスプリンクラーの様子があまりよくないと報告していたと聞きました」

第三者による犯行か、それとも誤作動による事故か。楽団側は説明が足りないとして、裾野市に対し強い憤りを示していて、誠意をもって向き合ってほしいと話しています。

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