BA.5対応ワクチン、自治体に配送開始 選べる自治体も

 厚生労働省が新型コロナワクチンのうち、現在主流の「BA.5」株に対応するワクチンを順次配送し始めた。同省は自治体に対して、ワクチンの種類を明示する必要はないとしているが、一部の自治体では予約の際にどのワクチンを接種するか、選べるようになっている。いずれにしろ順次切り替わり、11月にはBA.5対応ワクチンを広く接種できるようになる予定だ。

「BA.1」「BA.5」合わせて8000万人分を年内に配送予定

 同省が示している計画によると、先行して配送している「BA.1」対応ワクチンともあわせて、8000万人分のワクチンを年末までに各自治体に配送する予定。

 現在主に配送されているのは「BA.1」対応のワクチンだが、各自治体は「BA.5」対応ワクチンが届き次第、順次切り替えるものとみられる。ここで接種したい人にとって重要なのが、ワクチン種別を選べるのか、ということだ。前回接種から5ヵ月以上経過すれば接種可能となるが、職域接種ではモデルナの「BA.1」対応ワクチンが使用されると公表されている一方、自治体での接種ではファイザーの「BA.1」「BA.5」対応、モデルナの「BA.1」対応などワクチン種類については「明示する必要はない」と事務連絡している。

 しかしこれは義務ではなく、各自治体のワクチン予約の方針に事実上委ねられているといえそうだ。例えば神奈川県川崎市では、ワクチン接種の予約は、かかりつけ医がいる人以外は専用のWebサイトで自ら接種したいワクチン種や、接種してもらうクリニックを検索し、日程を選んで予約するようになっている。同市では「BA.5」対応ワクチンは届き始めたばかりだが、いくつかのクリニックでは早くもBA.5ワクチン接種可能となっていた。

 こうした対応は全国一律ではないが、「BA.5」対応ワクチンを打ちたい人は、居住地域でワクチン接種がどのようにできるか、早めに確認した方がよさそうだ。

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