老舗の味に大臣官房長賞 盛田日光工場の「マルシチしょうゆ」

受賞を喜ぶ鎌田管理部長(左)と前田副工場長

 しょうゆや調味料など食料品製造の「盛田」日光工場(日光市土沢、樋口充(ひぐちみつる)工場長)の「マルシチしょうゆ」が13日までに、本年度の「全国醤油(しょうゆ)品評会」で農林水産省大臣官房長賞を受賞した。同社は1665(寛文5)年創業の老舗。マルシチしょうゆは1789年から製造を続ける主力商品で、230年以上の歴史が積み上げてきた味や香りが評価された。

 官房長賞は大臣賞(5点)に次ぐ賞で10点が選ばれた。全国から270点が出品され、1次、2次審査を経て計50点の入賞が決まった。

 官房長賞に輝いた「マルシチ本醸造 特級しょうゆ」は同工場で製造。前田英樹(まえだひでき)副工場長(51)は「窒素含有量が多く、特にうまみと香りが引き立つ」という。地元のスーパーなどを中心に主に県内で販売している。

 表彰式は9月30日、都内で行われた。同工場の鎌田光一(かまたこういち)管理部長(57)は「これまで安全で安心、なおかつ『おいしい』を基本に商品を提供してきた。それらが評価されたのは名誉なこと」と受賞を喜んだ。

 同社は2004年にグループ会社などを再編して「盛田」を設立。同賞受賞は再編後初めてで、前田副工場長は「地元だけではなく、幅広く味わってもらういいきっかけになる」と話した。

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