日本代表、W杯に出場した「10人しかいない左利き選手」

7大会連続でワールドカップに出場する日本代表。

これまでの6大会に出場した左利き選手たちをまとめてみる。両利きといえる選手は除外し、生粋のレフティに絞った。

名波浩(1998年)

記念すべき日本代表の初W杯で10番を託されたマジカルレフティ。

正確無比な左足から繰り出されるパスで決定機を演出するだけではなく、的確なカバーリングや献身的な守備など、攻守両面で貢献する近代的なゲームメイカーとしての地位を確立した。

代表戦では67試合で9ゴールを記録したが、数字以上の印象を残している。特に2000年アジアカップは出色の出来だった。

生い立ちは意外にも武闘派であり、現役時代の華麗なプレーとは裏腹に熱さを持っている人物でもある。日本代表監督に向いていそうだが…。

服部年宏(1998年、2002年)

名波と同じくジュビロ磐田で一時代を築いた頼れる職人肌レフティ。

豊富な運動量と正確なクロス・パスなどを武器に左サイドを中心にプレー、守備的なポジションならどこでもこなせる万能選手であった。

平野孝(1998年)

日本人離れした悪魔的シュートで対戦相手を震え上がらせたモンスター系レフティ。

清水商高から加入した名古屋グランパスでは1年目から活躍した。当時の同僚である“ピクシー”ことドラガン・ストイコヴィッチもその才能を高く買っていたほど。

今年3月までは古巣でもあるヴィッセル神戸でコーチを務めていた。

鈴木隆行(2002年)

日韓大会で銀に染め上げた髪を振り乱して奮闘した“銀狼”ストライカー。

相手に圧力をかけ続ける猛烈なプレッシングと泥臭いプレイを武器に、代表でも一時代を築いた。

決して技術的に長けたタイプではなかったが、フィリップ・トルシエ監督から寵愛を受け、レギュラーに抜擢された。

W杯ベルギー戦で“つま先ゴール”を決め、長髪を振り乱しながら咆哮した姿は、今でも日本代表サポーターの心に焼き付いている。

三都主アレサンドロ(2002、2006年)

助っ人として日本代表を支えたブラジル出身のレフティ。

清水エスパルス時代には圧倒的なドリブルと正確な左足を武器にリーグ屈指の左サイドアタッカーとして活躍した。

日韓大会当時はワイドアタッカーだったが、その後はサイドバックに転向。ジーコJAPANでは不動の左サイドバックとして、ドイツW杯でもレギュラーを担った。

中田浩二(2002、2006年)

トルシエ監督から寵愛を受けた万能レフティ。

帝京高時代はMFだったが、当時から高い戦術理解度と高精度の左足を持っていた。

トルシエのもとで3バックの左ストッパーとして抜擢され、守備的ポジションならどこでもこなせるユーティリティ性で重宝された。

中村俊輔(2006、2010年)

日本サッカー史上に残るファンタジスタ系レフティ。

2002年は失意のW杯落選を味わうも、その後は日本の10番として君臨した。

世界レベルにまで極めた必殺のプレースキックを武器に活躍。2003年のコンフェデレーションズカップではフランス相手に圧巻のフリーキックを叩き込んでいる。

44歳になった現在も横浜FCで現役を続けている。

玉田圭司(2006、2010年)

切れ味鋭いドリブルとここぞの一発を持っていたレフティアタッカー。

J最高峰だったドリブル力は、ジーコや岡田武史など日本代表監督からも重宝された。その後はパスやハードワークなどプレーの幅も広げた。

2006年W杯のブラジル戦でぶち込んだ左足の一撃は、日本のW杯史上最高のゴールといえる。

本田圭佑(2010、2014、2018年)

日本人離れしたキックとビッグマウスで一世を風靡したレフティ。

本人も認めているように決して才能的に秀でていたわけではないが、尋常ならざる向上力でミランで10番を背負うまでに飛躍した。

2010年大会は本職ではないFWとしてチームを牽引するなど幾度も日本を救った。出場した3大会すべてでゴールを決めており、W杯3大会で得点を決めた日本人は彼しかいない。

西川周作(2014年)

183cmとGKとしては大きくないものの、鋭い反応と判断力、そして、正確無比な左足のキックを武器に活躍してきた守護神。そのキックの正確性はフィールドプレイヤー顔負けのレベルを誇る。

また、後輩GKたちに自らの技術を余すことなく教えるなどその人間性も高く評価されている。

2014年大会は川島永嗣の控えだったため、W杯のピッチに立ったことはまだない。

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6大会で計10人という数は意外に少なく、前回大会の左利きは本田のみだった。ただ、今大会では中山雄太、伊藤洋輝、久保建英、堂安律がメンバー入りしそうで、レフティの数は一気に増えるかもしれない。

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