今年の熱中症搬送38人 日高広域消防、コロナ前より低水準

 和歌山県の日高広域消防事務組合消防本部によると、管内(日高郡)の今年(4月25日~10月2日)の熱中症による搬送人数は38人だった。昨年(26人)より増えているものの、新型コロナウイルス感染拡大以前より低い水準が続いている。

 熱中症は、温度や湿度が高い中で体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れて、体温の調節機能が働かなくなる。体温上昇やめまい、けいれん、意識の異常といった、さまざまな障害を起こす。家の中などでじっとしていても、室温や湿度が高い場合には体から熱が逃げにくくなり、熱中症になる場合があるという。

 管内で今年、熱中症により搬送されたのは男性27人、女性11人。入院が3週間以上となった重症は自宅や庭にいた90代の2人。入院3週間未満の中等症が6人、診察のみで入院まで至らなかった軽症が30人だった。

 屋外で熱中症になった人は14人で、農作業中やスポーツ中など。屋内は24人で場所は自宅が多かった他、車内もあった。

 近年の熱中症の搬送人数は2018年60人、19年67人となっているが、新型コロナの影響が出始めて以降は、スポーツの大会や試合、イベントなどが中止になったことで、20年は35人、21年は26人と大幅に減少している。

 同本部のホームページでは、熱中症予防と新型コロナウイルス感染防止について呼びかけている。マスク着用により熱中症のリスクが高まることから、屋外で人と2メートル以上離れている時はマスクを外すことや、マスク着用時は激しい運動は避けることなど注意を促している。また、涼しい服装や日傘、帽子を活用して暑さを避けることや、喉が渇いていなくてもこまめに水分補給することなども勧めている。

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