「魔の1週間」回避も 岸田内閣支持率は菅前内閣以下に 予算委で山際氏追及必至、続く「瀬戸際の日々」

 閣僚の国際会議出席に伴う予算委員会の開催先送りで生じた国会審議の「空白の一週間」が13日に幕を閉じた。衆院小選挙区定数の「10増10減」などを巡る政局も取り沙汰されたが、「へたに官邸が動かなかった」(自民党幹部)ことで「魔の一週間」(同)は避けられたという。 

◆「菅さん越え」

 その一方で、報道各社の内閣支持率は低下の一途だ。7~10日に実施した時事通信の調査では27.4%となり、菅義偉内閣の最低値(29.0%)を下回った。内閣に「ついに菅さん越えか」(官邸スタッフ)と衝撃が走った。 

 週明け17日からは衆参の順で4日間ぶっ通しの予算委員会に突入する。旧統一教会との関係の深さが指摘されている山際大志郎経済再生担当相(衆院18区)が野党から追及されるのは必至で、任命権者の岸田文雄首相にとっても「瀬戸際の日々」(同)が続く。

◆「延長戦」

 「安倍さんのところは延長戦か」。首相周辺によると、安倍晋三元首相の派閥会合があった13日、「後継会長選びは先送り」との報告を受けた岸田首相は感想を漏らした。周辺は「派閥分裂など当面の政局が避けられたことにほっとした様子だった」と付言した。

 首相が安堵(あんど)の表情を見せたのは、自民内を2分しかねない衆院小選挙区の定数見直しに決着の見通しが立ったからだ。そこに至るまでは緊迫が続いた。当初は11日の党内部会審議で決着予定だったが、参加議員からは意見が上がり続けた。

 中座した県関係議員は「神奈川は(定数)2増だが、減る県の先生も多い」と言葉少なに語り、「きょうは打ち切って12日に再開」との報を聞いた創価学会幹部が「解散総選挙になるのか」と懸念するほど、審議のムードは重かった。

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