新たなサービス好評 レコードやカセット持ち込み店内で鑑賞 喫茶店「杏理鈴」(上越市子安新田)

 上越市子安新田の喫茶店「杏理鈴」は、レコードやカセットテープ、CDを持ち込み店内で聴けるサービスを始めた。すでに利用する人があり、店主の吉原博美さん(72)は「より幅広い世代に使ってほしい」と願っている。

知人から借り受けたステレオ、LPと吉原さん。ログハウス風の店内で、水出しコーヒーなどと楽しむ音楽が好評だという

 吉原さんによると、65~75歳の世代はスピーカーやオーディオに凝り、グループサウンズやロック、ジャズなどのレコードをよく聴いていたという。「レコードやカセットは音の幅が広く、セパレートタイプのスピーカーは一つ10万円くらいした」と当時を振り返る。
 近年ではこうした機材を直せない、聴く機会が減るなどし、機材が捨て値で投げ売りされたり、レコードやカセットテープをしまい込んだりしている人もいるという。こうした現状から、客が持ち込み店内で自由に聴けるようにできないかと、吉原さんは知人に相談。ステレオを借り受け、1カ月ほど前からサービスを始めた。
 意外なことに20代の若者から好評で、「学生時代に集めたものが聴けると、喜ばれた」と吉原さんは話す。月に1度の歌声カフェでも、参加者が持ち込んだレコードで懐かしの曲を聴くなどしているという。
 吉原さんは「レコード一枚一枚に刻まれた思い出や青春、歴史を生かしたい。サービスは年間を通じて行っているので、若者から先輩方まで多くの人に利用してほしい」と思いを込める。
 同店は午前10時から午後6時まで営業。毎週火曜定休。問い合わせは吉原さん(電090・7720・3966)へ。

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