「ザ・トラベルナース」岡田将生&中井貴一のコンビネーションが絶妙!「うそがないように作っていこうという気持ち」

テレビ朝日系で10月20日にスタートするドラマ「ザ・トラベルナース」(木曜午後9:00)の制作発表記者会見が行われ、主演の岡田将生と中井貴一、共演の菜々緒、安達祐実、恒松祐里、泉澤祐希、宮本茉由、野呂佳代、浅田美代子、寺島しのぶ、松平健、そして脚本を手掛ける中園ミホ氏が登壇した。

“トラベルナース”とは、スーツケースを手に街を渡り歩き、看護に従事する優れた資格を持ったフリーランス看護師のこと。本作は、手術場で医師を補助し一定の医療行為を実施できる看護資格・NP(ナース・プラクティショナー)を持つ、一見感じの悪い優秀なトラベルナース・那須田歩(岡田)と、普段は物腰柔らかだが、正念場では臆することなく痛烈な一言と巧みな話術、圧倒的な看護スキルを発揮するスーパーナース・九鬼静(中井)が、患者ファーストで医療現場を改革していく医療ドラマだ。

自身がコロナウイルスに感染した際、すご腕のナースに命を救われたというスーパードクターへの取材から、このドラマの着想を得たという中園氏は、「それがこんなに早くドラマ化がかなうとは思いませんでした。願ってもないすごいキャスティングをしてくださったプロデューサーに感謝しています。今は3話まで上がっているんですが、1話あたりもう5回ほど見てしまっています」と、その出来に自信をのぞかせる。

アメリカ仕込みの優秀なナース・那須田を演じる岡田は、「誰よりもこの作品を愛して、スタッフ・キャストと共に作り上げていこうという気持ちをプロデューサーの内山(聖子)さんと脚本の中園さんとお話をした時から、ずっと撮影を楽しみにしていたので、感慨深いです。全力でお芝居を楽しみながら、皆さんと共に作っていく環境がすごくうれしいです」と、まずは感謝を伝えた。

九鬼役を務める中井は「テンポのよさを意識して、日常的なナースの仕事を一番大事にしながら、非現実空間も作っていこうと努力してやらせていただきました。“トラベルナース”という言葉を存じ上げなかったのですが、日本では医療関係の方でも知ってる方が少ないようです。こういうことが日本でも普通になっていくといいなと思いました」とコメントした。

患者のために奮闘するも、病院内での男性上位の有りさまに辟易(へきえき)としている外科医・郡司真都役の菜々緒は、「医療的な所作をするシーンの撮影で、岡田さんが中井さんのことを気遣って『(画角に)映っていないのであればやっているふりで』ということをおっしゃったんですけど、中井さんは『いや、そんなことよりも自分が芝居をしやすいようにやりなさい』と答えているのを見て、すごくいいコンビだなと思いました」と、現場での岡田と中井のコミュニケーションが印象に残っていると述べた。

経営面から病院を支える院長の右腕で、事務長・西千晶役の浅田は「撮影現場には初対面の方もいらしたと思うんですけど、あっという間にチームが出来上がってると感じました。岡田くんはかわいいし、中井さんは妙に面白おかしい。なんかこのコンビ、いいなって、近くから他人事のように見てました(笑)」とまるで母親のような優しい目線を送った。

経営第一主義の非情な院長・天乃隆之介役を務める松平も「私、ずっと院長室にいるものですから、たまにしか会わないんですけど(笑)、2人は親子のような関係というか、大変仲がいいんだなと感じました」と浅田の言葉に同調した。

熱心な指導でナースを育て、またその厳しさゆえナースに逃げられてもきた看護部長・愛川塔子役の寺島は、「ナースハウス(寮)では、和気あいあいとおいしいご飯をいただきながらお芝居するシーンが多かったんです。なにせ野呂さんがよく食べるんですよ。無理に食べなくてもいいんだよって言ったんですけど、無意識に食べちゃうそうなんです。エビフライ、何本食べたんだっけ?」という撮影秘話を披露。それに応えて、井戸端会議と間食が大好きな看護師・森口福美を演じる野呂は「食べすぎて、胃もたれを起こすくらいです(笑)」と返答。「雰囲気が楽しくて、会話が弾んでつい食べちゃうみたいな時、あるじゃないですか!」と説明するも、周囲から「ないよ!」とツッコまれ、笑いが起こった。

さらに、准看護師・弘中スミレ役の宮本は「中井さんと岡田さんが肩が触れ合うくらいの狭いテーブルでご飯を食べているシーンは、このドラマでしか見られない、見どころだと思います」と明かし、院長の息子で内科医・天乃太郎役の泉澤は、中井を振り向かせる芝居で「中井さんが『俺は振り向かないからな!』って言うんです。これは『俺を振り向かせる芝居をしてみろ!』というのを試されてるなと。でも、本当はけなして振り向かせるところなんですが、つい褒め称えてしまいました」とエピソードを披露した。

ネガティブ思考なクールビューティーの看護師・金谷吉子役の安達は「看護師さんとは普段は病院でも、処置をしていただく時くらいしか接しないんですけど、その裏では私たちの知らない仕事をたくさんこなしていることが分かりました。命に関わるとても大変なお仕事に感謝の気持ちを持ちながら演じていました」と医療従事者の苦労も感じた様子。

心優しいヘタレナース・向坂麻美役の恒松は、「ナースというと女性のイメージが強かったんです。第1話の冒頭で、私たちが『えっ、男のナース?』っていうシーンがあるくらいで。でも医療監修の方々のお話では、意外と力仕事が多かったり、女性だけよりも男性もいた方が雰囲気が穏やかになるということもあるそうで、男性ナースの大切さを知りました。そんな視聴者の方の意識も改められるドラマになってるなと思います」と説明した。

そんな恒松の話を受け、岡田も「ドクターとナースとでは患者さんと接する時間が全然違うんですよね。ナースは患者さんと接する時間が長い分、患者さんをより深く知ることができ、どう病気と向き合っていくかを考え、一緒に歩んでいく仕事なんだなと思いながら演じさせてもらったんです」と明かした。

いまだ余談を許さぬ状況下で戦い続ける医療従事者たちの姿を描く本作で、岡田は「どのシーンも、貴一さんと共にうそがないように作っていこうという気持ちでやってました。ご期待に添えるようなドラマにしたいです」と真摯(しんし)に向き合っていることを伝え、中井も「これは医療ドラマではない、と思っていて。医療に携わる者というより、人間としてどうあるべきかということを伝えたいんじゃないかなと。今、人が忘れかけているものをもう一度問い直すドラマになっていると思います」と力を込めてメッセージを送った。

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