県内今年度の特殊詐欺被害総額は4億円以上、新潟市西蒲区岩室で警察が注意呼びかけ

特殊詐欺防止などを呼び掛ける活動の様子

西蒲警察署は14日、新潟市西蒲区岩室地区で同地域のPRキャラクター「いわねちゃん」とともに、「新潟県犯罪のない安全で安心なまちづくり旬間・全国地域安全運動」の活動の一環として、特殊詐欺防止と高齢者事故防止の呼び掛けを行った。

西蒲署管内では8月末までに3件の特殊詐欺被害が起きていて、被害総額は約764万円。前年の同じ月と比べると、被害総額は714万円増加している。

また、新潟県内では9月末までに132件の特殊詐欺事件が発生しており、被害総額は4億2,399万円。前年と比べると40件増加をしており、被害総額は2億4,187万円増加しているなど、特殊詐欺による被害が拡大している。特に65歳以上の高齢者が被害に遭ったケースは132件中99件と多くを占め、前年と比べると44件増加している。

西蒲署による活動には署員のほかにもボランティアで参加した近隣の住民などが参加し、「ストップ! ATMでの携帯電話」をキーワードに、岩室地区内の金融機関などの前で、特殊詐欺の注意喚起を呼び掛けるチラシなどを配った。

西蒲署によると、特殊詐欺の手口の1つとして在宅の高齢者を狙い、金融機関のATMまで誘導し、携帯電話で指示をしながら振り込ませるという手口がある。今回の活動は、14日が国民年金の支給日ということもあり、高齢者が金融機関に足を運ぶ可能性の高い日。そこで、金融機関の前で啓発活動を行うことで未然防止や特殊詐欺に対する防衛意識の向上が狙いだという。

西蒲署の川﨑崇史生活安全課長は、「私たちは(特殊詐欺の被害を)無くすための取り組みをしているつもりなのだが、その上を行く犯人の動きがあるので、今回の活動のように金融機関とスクラムをがっちりと組まなければいけない」と話した。

つづけて、「怪しい電話が来たら一旦電話を打ち切り、家族や警察に伝えてみて欲しい。電話では姿が見えないので、必ず相手が本人かどうかを確かめるために一旦打ち切る。そして、電話で金銭の相談をしてきたら詐欺を疑ってほしい。疑うことが最大の対策になる」と呼び掛けた。

金融機関の前で特殊詐欺防止を呼び掛ける岩室地域のPRキャラクター「いわねちゃん」

西蒲警察署の川﨑崇史生活安全課長

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