唐寺の名宝など165点 「黄檗展」が開幕 長崎歴文博

長崎の唐寺の資料が並ぶ企画展=長崎市、長崎歴史文化博物館

 江戸時代に中国から伝わり日本に大きな影響を与えた黄檗(おうばく)文化の源流を唐寺の名宝と共にたどる企画展「長崎の黄檗 隠元禅師と唐寺をめぐる物語」(実行委主催、長崎新聞社など共催)が15日、長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で開幕する。
 1654年、臨済宗黄檗派の高僧・隠元禅師やその弟子たちが来日し、宗教の広まりとともにインゲン豆や煎茶といった食文化や生活習慣、絵画など当時の中国の最新文化がもたらされた。隠元禅師が日本で最初に入った同市の興福寺をはじめ、長崎の唐寺には現在まで続く中国との交流を物語る資料が数多く残っている。
 同展ではこれらの資料や隠元禅師が実際に使った椅子や杖、黄檗文化の色濃い書画など165点を展示。隠元禅師の足跡をたどりながら、近年の唐寺の大規模調査で見つかった「祖師源流画像」(興福寺蔵)など初公開資料も数多く並ぶ。
 14日の開会式で、水嶋英治同館長は「本展では長崎の唐寺にこれほどまでの名宝が眠っていたのかと度肝を抜かれると思う」と話した。同展は11月27日まで(10月17日、11月7日、同21日休館)。


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