角田裕毅、F1で3年目を迎える2023年は「チームに一貫したフィードバックを与える」ことを目標に据える

 アルファタウリF1の角田裕毅は、2023年シーズンに向けた課題として、今まで以上にチームにフィードバックをする必要があると語った。

 9月22日、アルファタウリは角田が来季もチームに残留することを発表した。自身にとってF1での3年目となるシーズンが決定したことで勢いに乗りたい角田だが、今季は苦戦が続いている。

 第18戦日本GP終了時点で、チームメイトのピエール・ガスリーが23ポイントを獲得しているのに対し、角田は第6戦スペインGP以降ポイント獲得から遠ざかり、獲得ポイントは11点に留まっている。この状況において角田は、ガスリーと比べてある点がまだ不十分だと考えていることを明かした。

『The Race』によると、3年目のシーズンを迎えるにあたっての改善点を問われた角田は、「もっと一貫性を持ちたいです。そのことがメインターゲットです」と述べ、そのためには「ピエール(ガスリー)が得意とする、フィードバックをチームに与えること」が必要だと語った。

 ドライバーは走行中や走行後にタイヤの状況やマシンの状態についてエンジニアに報告し、チームはこれを頼りに戦略を決定しセットアップに変更を加える。フィードバックはチームにとって貴重な情報源であり、これを与える力はF1ドライバーに求められる資質のひとつだ。

2022年F1第18戦日本GP チームスタッフとコースウォークに向かう角田裕毅(アルファタウリ)

 しかし角田は、ガスリーと比較したときに、このフィードバック能力がまだ足りないと感じていると語る。

「僕とピエールの違うところは、特にレースにおいて彼は僕よりずっとしゃべっているのに、僕は本当に静かだということです。(ガスリーにとって)それが役に立っているのは間違いありません」

「チームに一貫したフィードバックを与え、より多くの情報を、たとえ小さなことでも提供することが助けになると思います」

 角田は日本GPでも、レース終盤に2度目のピットインをするかステイアウトするかでチームと考えにズレがあったことを明かしている。この一件も、レース中のコミュニケーション不足という彼の課題を浮き彫りにしている。

 ガスリーがアルピーヌに移籍し、ルーキーのニック・デ・フリースが新たなチームメイトとなる来シーズン、角田にはチームを率いるリーダーシップも求められる。マシン開発の方向性を決定づけていくためにも、フィードバック能力は間違いなく彼にとって必須となるだろう。

2022年F1第18戦日本GP ピットアウトする角田裕毅(アルファタウリ)&ジョージ・ラッセル(メルセデス)

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