落札額5億円の可能性 マラドーナ氏「神の手ゴール」のボールが競売に 試合関係者は激怒

サッカー元アルゼンチン代表の故ディエゴ・マラドーナ氏が1986年W杯メキシコ大会で「神の手」ゴールを決めたボールが、オークションに出品されるという。メキシコシティで開催された準々決勝は、同選手の得点などでアルゼンチンが2-1とし、イングランドに勝利。主審を務めたアリ・ビン・ナセル氏がそのボールを保管していたが、今回ロンドンで競売に出すことにしたそうで、予想落札価格は最高300万ポンド(約5億円)となっている。

ザ・サン紙によると、同ボールの競売を取り仕切るグレアム・バッド・オークションズのアダム・ガスコイン氏は、こう話していたという。

「試合で複数のボールを使用するシステムとなっている現在とは異なり、これはあの試合で最初から最後まで使用された唯一のボールなのです。〝神の手〟ゴールを決めたボールであったことは疑いの余地がありません」

「これは長い間戸棚にしまわれていましたが、ビン・ナセル氏は今が売却する時だと考えたのです。マラドーナのユニフォームの落札価格を見れば、ボールの落札予想価格が250万ポンドから300万ポンド(約4億2000万円から5億円)であることも驚きではありません」

同試合でゴールを決めた元イングランド代表FWゲーリー・リネカー氏は、トークスポートのラジオ番組でこの競売を批判。「どういう経緯でレフェリーがあのボールを持っているんだ?あの試合から僕が立ち直ったかって?もちろん。まだだ」「レフェリーが自分の失敗で金稼ぎをすることをうれしく思うよ」と皮肉たっぷりに語った。

マラドーナ氏のゴールは明らかにハンドと思えるものだったが、ビン・ナセル氏はそれを見なかったとしてゴールを認めていた。その後アルゼンチンは決勝で西ドイツを倒し、大会を制している。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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