モンテッソーリ教育を導入…未就学児施設が福井県にオープン 「モクモク学園」、教具120種類で自ら深める学び

モンテッソーリ教育を取り入れた教育施設「モクモク学園」=10月14日、福井県鯖江市旭町1丁目

 福井県鯖江市旭町1丁目の文具店ニシザワ紙文具(西澤直樹社長)は、店舗2階を改築して教育交流施設「モクモク学園」を開設した。1歳7カ月以上の未就学児を対象に、遊びながら読み書きや五感、運動能力を高めてもらう教室をスタート。親子で使えるキッチンやフリースペースも設け、市内外の子育て世帯の交流促進を図っていく。

 文具店業界は、100円ショップやネット通販の台頭で厳しい景況が続く。2児の父でもある西澤社長は、かねて関心を抱いていた教育分野への進出を模索。コロナ禍を受けた国の事業再構築補助金を活用し、倉庫だった2階約360平方メートルを改築して新規事業に乗り出した。

⇒幼稚園の庭で見つけた「幸運を呼ぶ」水色のカエル

 教室には、イタリアの女性医師が20世紀初頭に考案した幼児教育理論「モンテッソーリ教育」を取り入れた。子ども自らが学びを深める「自己教育力」を重視し、発達段階と興味・関心を見極めながら成長を促していく。

 元教員や保育士のスタッフが常駐し、積み木や色合わせパズルなどの教具約120種類を用意。西澤社長によると、0~6歳までの間に細かな指先の運動などを集中して行うことが、自発的な学びには大切だという。1歳半の娘と通い始めた鯖江市の女性(27)は「自宅ではそろえられない教具の中から、子どもが自由に選べる環境はとても貴重」と話す。

 時間利用のフリースペースや授乳室、キッチン、ドリンクバー、ミシンなども備え「教室に通う以外にも、多くの親子に幅広く利用してほしい」(西澤社長)としている。

 教室は現在、毎週火、水、金、土曜の午前9時~午後5時に開いている。入会費1万5千円。1回5500円でゲスト利用もでき、体験プランもある。問い合わせはモクモク学園=電話0778(42)8220。

© 株式会社福井新聞社