サッカー選手にとって「コンバート」はある種つきもの。新たなポジションや役割を与えられることで輝きが増す選手は少なくない。
そこでQolyは、プロキャリア後半でサイドバックへのコンバートを経験し、今は再びFWとして、所属の栃木SCで今季チーム最多の7ゴールを記録している矢野貴章を直撃!
日本代表として2010年の南アフリカワールドカップにも出場した38歳にいろいろ聞いた。
先日公開したインタビュー前編に続く後編では、フライブルクでの海外挑戦やサイドバックへのコンバートなどを中心にお届け。記事ではその一部を紹介する。
(取材日:2022年9月)
――(前略)名古屋グランパス時代、プロになってからは初めてDFというか、サイドバックやサイドハーフで主に使われるようになりました。どんなことを感じていましたか?
2013年に名古屋へ移籍して、試合に出てはいたんですけど、スタメンで出る時もあれば途中交代もだんだん多くなってきたりして。その次のシーズン初めはなかなか試合に先発からいけるような感じではありませんでした。
それがきっかけで、けが人が多く出たりして、サイドバックをやる人がいないとなった時に、僕にそういうチャンス…チャンスというか番が回ってきました。
僕自身、すごく試合に出たい気持ちがありましたし、出られるのであれば、どこのポジションでもやりたいと思いました。それからですね。サイドバックをやるようになったきっかけというのは。
――2017年にアルビレックス新潟へ戻り、再びFWが主戦場になりました。サイドバックをやったことで何か変わったことはありましたか?プロになってからサイドバックを経験し、またFWになってというところで。
本当に色々なことを学べたと思います。モチベーションもまた上がったという、「サイドバックで頑張ろう」というモチベーションや「より多くのことを学びたい」と思いました。
それに伴って、どういうFWが嫌かなと自分の中では思いました。「ここでこういうプレーしてくるのはすごく嫌だな」という、DFの心理がすごく分かって、今は逆にFWとして「こういうプレーをしたら嫌だろうな」と感じています。
両方の面を見ることができたのですごくいい経験ができたと思っています。
――他のポジションを経験したほうが元のポジションでも生きる部分があるというか。例えばFWとセンターバックとかでも?
そうですね。僕がサイドバックやサイドハーフをやっていた時は、クロスを上げる時や上げるタイミングで「FWとしてここに欲しい」というところに上げたりしていました。
そういう感覚だったり、また同じピッチの中でも見える角度や視野が全然違うので、そういうのはすごく勉強になりますね。
ただそうじゃなくても、そこ(FW)で極められる人というのはそれはそれでもちろん本当に素晴らしいことだと思います。
動画では他にも、2010年にドイツのフライブルクへ移籍した経緯や、現地で改めて感じた“シンジ・カガワ”の凄さ、浜名高校時代に強化指定としてプレーしていた地元のジュビロ磐田ではなく柏レイソルでプロ入りした理由、さらには「守備的FW」と呼ばれることなど、たっぷり聞いているのでそちらもぜひ!(※インタビュー前編はこちら↓)
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明治安田生命J2リーグで現在暫定16位の栃木SCは、本日が今季のホーム最終戦。北関東のライバルである水戸ホーリーホックとカンセキスタジアムとちぎで14時から対戦する。