スズキとして最後のオーストラリアGPで優勝飾ったリンス「チームはこの優勝にふさわしい」/MotoGP第18戦決勝トップ3コメント

 MotoGP第18戦オーストラリアGPの決勝レースがフィリップ・アイランド・サーキットで行われ、MotoGPクラスで優勝したアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、2位のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、3位のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が会見に出席。レースを振り返った。

■アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:優勝

「1番前のポジションでフィニッシュできてとてもうれしいよ。スズキでは最後のフィリップアイランド。ずっと、悪いときも僕を支えてくれた全ての人にとっても、いい結果になった。チームも浜松のスタッフも、本当にこの優勝にふさわしい」

「いいレースだった。序盤からとてもいいフィーリングがあった。リヤタイヤをうまくマネジメントできていた。ペッコ(フランセスコ・バニャイア)や序盤に(ホルヘ・)マルティンの後ろについたとき、彼らがちょっと遅すぎるスピードで走っていることに気付いていた」

「だから前に出て、リヤタイヤのスピンをケアしながらちょっとギャップを広げてみたけど、すぐに彼らはストレートで僕をオーバーテイクした。そこで僕は彼らの後ろにつくことにして、終盤に挑むことにしたんだ。最終ラップに2番手で入ったら、1コーナー、2コーナーでペッコをオーバーテイクするチャンスがあるとわかっていた。そして、その通りにオーバーテイクして、1番前でフィニッシュできた。とてもうれしいよ」

「チームとして、もう来年にはチャンピオンシップに参戦しないと知るのは厳しいことだった。それに、(これまで)あまりいいレースもできていなかった。モンメロ(カタルーニャGP)では、ほかのライダーの転倒に巻き込まれて手を骨折したしね」

「大事なことは、決してあきらめなかったこと。僕たちはこの優勝にふさわしい。この優勝は、来年に向けて契約をすませたスタッフのためでもあり、それができていないスタッフのためでもある。ここからシーズンの最後までどうなるかわからないけど、この優勝はチームのためのものだ」

■マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/決勝:2位

「この表彰台は本当にうれしいよ。僕にとっても、このタフなシーズンで助けてくれた人たち、ドクターや理学療法士にとってもすごく意味がある表彰台だ。僕はだんだんよくなってきている。ホンダもすごく懸命にやってくれているんだ。今はタイトル争いはしていないけど、2023年に向けて、彼らはとても頑張っている」

「この表彰台は、モチベーションの維持にとっても意味があるし、ホンダで6度のチャンピオンを獲得したライダーがまだそこにいる、ということを示すことができた。彼らは常に僕を信じてくれている」

「今日、リヤタイヤはソフトで行くと決めたのは僕だ。彼らは反対したけど、『ねえ、僕は賭けに出るよ。責任は僕がとる』って言ったんだ。(ソフトを選んだのが)自分一人だということは関係なかった。ほかのタイヤでは、どこが問題になるのかわかっていたから」

「レースではうまくマネジメントできたと思う。アタックするために最後まで待ったけど、僕としては2番手で(最終ラップに)入る予定だったんだ。だけど、それができなかった。最終ラップではかなり攻めたけど、リンスはすごくうまく守っていた。そうなるともう何もできない。でも、このレースウイークにも、パフォーマンスにも満足しているよ」

「(最終ラップ)2コーナーではアレックスをオーバーテイクすることはできないとわかっていた。そのコーナーで何度もオーバーテイクされてきたからね。それに、彼がうまくポジションを守るだろうとも思っていた。でもペッコが2コーナーにいるのを見て、『彼は(オーバーテイクされるとは)思っていないだろうから、仕掛けよう』と思ったんだ」

「僕たちのバイクの問題点の一つは、ストレートからの減速で、4コーナーではかなりクリアでないと、バイクが振られてしまう。今日、弟(アレックス・マルケス)がミスしたみたいにね。このバイクで振られてしまうと、バイクを止められない。問題を消化できないんだ。あまりにも危険だった」

「というわけで、僕は11コーナーか12コーナーで勝負することにしたんだけど、リンスはすごくいい加速をしていたね。これはすごく大事なことだけど、楽しいレースだった。それに、ファンにも楽しんでもらえたんじゃないかな」

「僕が最後に楽しんだレースは、2020年のヘレス。あれは僕のキャリアの中でも、ベストレースの一つだった。結果としてはベストではなかったけど、パフォーマンスとしては最高だった。すごく楽しんでいた。今日も、(レースを)楽しむことができた」

「ただ、僕たちは現実的でいる必要がある。ここは左回りのサーキットで、ペースもすごく遅かった。リヤタイヤとフィジカルをマネジメントしていて、最初の10~15周はそこまで攻めていなかったんだ。マレーシアではまた苦戦することになるだろう。でもバレンシアではまた上位のライダーたちとの差を詰められると思う。どうなるかな。とにかく、2023年にタイトル争いをしたいなら、この冬は重要になるってことだ」

■フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/決勝:3位

「(スタート前にスターティングデバイスを作動させるのに苦労したことについて)それは起こりうることだから、あらかじめ準備はしていた。スターティングデバイスなしのスタートは少し危険だったよ。バイクはウイリーし、コントロールが難しかった。フロントのデバイスは、慎重なスタートにとても役立っているんだ。使った方がいいよね」

「僕はポジションを落としたけど、『1周目はリスクを冒してトップ3につけて、それからタイヤをマネジメントしよう』と思った。この作戦はよかったと思う。タイヤをマネジメントしていたから、今日は全部、コントロールできていた」

「でも残り5、6周あたりでフロントタイヤの左側が終わってしまって、左コーナーではすごく大変だった。だけど、ペースはいい状態だった。結果には満足しているよ。レースよりも、チャンピオンシップの面でうれしい。僕の目標は優勝だったけど、『ファビオ アウト』のピットボードを見てレースが変わった。とにかく、いい結果で終えられた」

「(フロントタイヤの摩耗について)あまり予想していなかったね。僕たちのバイクはいつも、フロントがすごくいいんだ。でも今日は、リヤタイヤをケアしすぎたのかもしれない。フロントを最大限に使っていた。でも、起こりうることだ」

「(最終ラップで)彼らが僕を2コーナーでオーバーテイクしたとき、もしチャンスがあるならいくけど、余計な危険は冒さない、と思っていた。今年はかなりミスをしてきたからね。スマートでいることが大事だったんだ」

「(次戦マレーシアGPは)とても重要なレースになるだろう。でも僕は、サマーブレイクからやってきたことと同じように挑みたいと思う。セッションではそのセッションについて考え、いい仕事をして、レースに向けて準備を重ねていく。そして、マレーシアか、もしくはバレンシアでチャンピオンになる可能性があるかを確認する。スマートに、全てに気を配るよ。レースを完走し、一番前でゴールすることがとても重要だから」

© 株式会社三栄