若き時代のピカソ知って 青色基調に人々の姿描く 箱根・ポーラ美術館で70点展示

ピカソの青の時代を紹介したギャラリートーク=8日、箱根町仙石原

 9月に開館20周年を迎えたポーラ美術館(箱根町仙石原)で8日、企画展「ピカソ 青の時代を超えて」のギャラリートークが実施された。20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソが20~23歳の頃、青色を基調に人々の姿を描いた「青の時代」を中心に、同館学芸員が作品の見どころや画法などを解説した。参加者は「ピカソの新たな一面が知れた」と見入っていた。

 企画展は同館がひろしま美術館(広島市)と共同で、両館収蔵の絵画など約70点を展示。美術界の巨匠として知られる前の若きピカソを捉え直そうと試みた展示になっている。

 1902年に女性の後ろ姿とグラスを描いた「酒場の二人の女」の下層には、うずくまる母子像が描かれていたことが近年の科学調査で分かったといい、ポーラ美術館の東海林洋学芸員は「何度も塗り替えて作品を作っているピカソに、日々思い悩む自分の姿を重ねて見ることができる」と解説していた。

 横浜市から家族で訪れた小学5年生の市場みづきさん(10)とあおいさん(10)は「自由な感じがあった。違った絵画の見方をできて面白かった」と笑みを見せた。

 ギャラリートークは22日にも開催する。企画展は来年1月15日まで。午前9時から午後5時(入館同4時半)まで。大人1800円、高校・大学生1300円、中学生以下無料。問い合わせは同美術館電話0460(84)2111。

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