3年ぶり、力強く早船競漕 熊野速玉大社の例大祭

御船島の周りを力強く進む早船(16日、三重県紀宝町から撮影)

 和歌山県新宮市にある世界遺産・熊野速玉大社の例大祭を締めくくる神事「御船祭」が16日にあった。3年ぶりに早船競漕(はやぶねきょうそう)が繰り広げられ、見物人らを楽しませた。

 早船(長さ9メートル)は9隻あり、ご神体を乗せる神幸船(しんこうせん)を先導する役割を担っている。1隻につき11人の男性が乗り、大社近くの熊野川から約1.6キロ上流にある御船島へ向かい、時計回りに島を3周した後、ゴールである近くの上札場(かみふだば)までの先着を競う=写真。

 午後4時半ごろに早船が大社のそばを出発。御船島近くに姿を現すと、力強く櫂(かい)をこぐ男性たちに見物客から「頑張れー」と声援が飛んだ。

 昨年と一昨年は新型コロナウイルスの影響で実施されなかった。今年はみこし渡御を縮小したほかは、ほぼ例年通りの形になった。

 三重県御浜町から写真撮影で訪れていた男性(78)は「なかなか思い通りの構図には撮れなかった。百点満点で30点くらいかな」と苦笑していた。

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