華族令の廃止で貴族ではなくなった母娘 「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」本編冒頭映像

太宰治の「斜陽」を原作とした映画「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」から、宮本茉由演じるヒロインかず子のモノローグで背景を語る、本編の冒頭映像が公開された。

映像は、戦後の日本をとらえた写真を背景に、GHQによる改革や華族令の廃止について語るかず子の独白から始まる。「すべての爵位はなくなり、この国には貴族という階級の人間は一人もいなくなった」の言葉とともに映し出されるのは、憂いを帯びた表情のかず子。母・都貴子(水野真紀)は、「今日でこの家も庭も見納めよ。かず子さん、しっかりその目に焼き付けて」と決意のにじむ声音で語り掛ける。場面は変わり、浮かない表情のかず子と、真っすぐに前を見つめる都貴子が電車に揺られる姿。「親子二人、伊豆で暮らすことになった」と語るかず子は、ちらりと気遣わしげな目線を母に向ける。

「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」は、戦後の日本を舞台に、没落貴族の娘かず子と彼女が思いを寄せる売れっ子作家との“恋と革命の物語”。増村保造監督と脚本家の白坂依志夫が遺した草稿脚本を元に、近藤明男監督が脚本を仕上げ、準備から5年の歳月をかけて完成した。山日YBSグループ創業 150周年記念作品として製作され、太宰治が新婚時代を過ごした山梨県内でも撮影された。

【作品情報】
鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽
10/28(金)よりTOHOシネマズ甲府シアターセントラルBe館にて先行公開、11/4(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開
配給:彩プロ
©2022 『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会(オフィス近藤 アップサイド 実正寺 スペースT ぱあとなあ ハーモニー ライジングシネマ 山梨日日新聞社 山梨放送)

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