西武鉄道は2022年10月14日、新宿線と池袋線・西武秩父線で定期運行特急・座席指定列車を活用した「サイクルトレイン」の実証実験を11月に実施すると発表し、大きな反響を呼びました。実験の内容は次の通りです。
新宿線
＜実施日＞
2022年11月5日（土）・6日（日）
＜使用車両＞
10000系 特急レッドアロー（7号車に乗車）
＜対象電車＞
小江戸3号／井荻駅 7:42 → 本川越駅 8:16
小江戸34号／本川越駅 17:02 → 井荻駅 17:33
＜補足＞
・井荻駅に臨時停車
※同駅での乗降はサイクルトレイン参加者限定
・募集人数は上下各6名（合計12名）
池袋線・西武秩父線
＜実施日＞
2022年11月26日（土）・27日（日）
＜使用車両＞
40000系 S-TRAIN（10号車に乗車）
＜対象電車＞
S-TRAIN1号 秋津駅 8:14 → 西武秩父駅 9:15
S-TRAIN4号 西武秩父駅 17:07 → 秋津駅 18:15
＜補足＞
・秋津駅に臨時停車
※同駅での乗降はサイクルトレイン参加者限定
・募集人数は上下各10名（合計20名）
新宿線／池袋線・西武秩父線ともに参加料金は片道1,500円（乗車の際は別途乗車券が必要）。西武トラベルWebサイト上の参加申し込みフォームで受け付けます。申し込み多数の場合は抽選です。
多摩川線ではすでに導入済み、本線での狙いは
西武鉄道ではすでに多摩川線で2021年7月から「サイクルトレイン」を導入しており（※7月から実証実験開始、10月から本実施）、普段の生活の足として、また土休日のレジャー利用で活用されています。同社広報部によれば、多摩川線サイクルトレインの好評を受け、22年4月ごろより本線での導入について検討を始めたといいます。
リリースにもある通り、今回の実験は「西武線での新たな観光方法のご提案として将来的な本線での定期的なサイクルトレイン導入を見据えた実証実験として実施するもの」。新宿線なら本川越駅から入間川自転車道や荒川自転車道等でのサイクリングが、西武秩父線では紅葉の長瀞岩畳、札所巡りやジオサイト巡りなど、サイクリスト向けのコースが楽しめます。
なぜ「井荻」「秋津」が停車駅に？
今回の発表で特に注目を集めたのは「井荻」「秋津」が臨時停車駅として選ばれたことでした。
リリースには「環八通りに近く自転車でのアクセスに便利な『井荻駅』」「府中街道や志木街道などの幹線道路から近い『秋津駅』」といった記述があることから、自転車でのアクセスのしやすさが考慮されたものと見られます。
また西武鉄道広報部によれば、エレベーターやエスカレーターを使わずにホームへ行けるのも理由の1つということです。同社のWebサイトで公開されている駅構内の案内図を見ていただくと分かりやすいかと思いますが、両駅とも駅の出入口とホームが同じ階層にあり、上下の移動が不要です。
多摩川線の実証実験では武蔵境駅でエレベーターを使用してホームへ向かう場面も見られましたが、持ち込める自転車は原則スタンド付きで、大きさにも制限がありました。今回の実証実験については、西武トラベル申込ページに「当日は必ず輪行袋を持参いただき、また輪行袋に収納できるスポーツバイク等でご参加ください」との記述があり、多摩川線よりさらにサイクリスト向けに重きを置いたものと言えるでしょう。
