気分はお殿様? 全国3番目の「城泊」へ 福山城に宿泊「キャッスルステイ」実証実験

福山城(広島・福山市)の新たな利活用として、「お城に泊まれる」という計画が進められています。気分はお殿様? 宿泊を実際に体験してもらう実証実験がありました。

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殿様衣装に身を包み、筋鉄御門から入城したのは、オーストラリア出身で、インバウンド観光アドバイザーのクリス・グレンさんです。福山城に宿泊する実証実験の体験者として、友人のラス・エバートさんと訪れました。

泊まる施設は、「月見櫓」です。

“家臣”
「今般、福山城 一日城主の儀、件の如く、御奉り願い候」

家臣に扮したスタッフから「城主証」を受け取りました。

クリス・グレンさん
「不思議な気持ちですね。いつも城に行くと、殿様がどんな生活していたとか、侍がどんな仕事していたとか考えていたけど、今、感じられることは本当にうれしいです」

月見櫓は、築城400年の大規模改修に合わせて、およそ1億円かけて改装されています。

クリス・グレンさん
「すばらしいです。(櫓は)外国人が日本に来ると体験したい状態です。ここに来ると、畳・障子・床の間、そういうのがあると喜びますね」

ただ宿泊するだけではありません。

すぐそばの「御湯殿」に案内された2人は、福山伝統の「能」を鑑賞しました。

クリス・グレンさん
「音が良いし、役者の動きがすばらしいです。でも、ちょっと怖かったですね」

夕食は、地元の旬の食材を使った和食御膳です。

クリス・グレンさん
「こっちから?」

シェフ
「まず野菜から…」

食べる順番やどんな料理なのかなど、シェフに聞きながら味わいます。

クリス・グレンさん
「とてもフレッシュな味わいがありますから、おいしいです。間違いなしです」

福山の特産品「クワイ」は初めてです。

クリス・グレンさん
「ちょっとポテトのような…。食べやすいですね」

食事を終え、向かった天守の最上階は、貸切の「ナイトラウンジ」となっていました。

「広島レモンサイダー」と福山ならではのおつまみ「福つまみ」が用意され、夜景をのぞむひと時を過ごしました。

クリス・グレンさん
「これ、いいですよね。本当に殿様の気分を感じますよね」

一夜明け、国の重要文化財「伏見櫓」の見学です。小窓から銃のレプリカを構えてみたり、櫓の歴史や造りなどを聞いたりしていました。

クリス・グレンさん
「お城に泊まることは、全国で数か所しかできないけど、福山城が特別な感じですよね。立派な天守もあるし、現存する櫓もあるし。外国人が日本の文化・歴史、わからないから、(その都度、)軽くでも何か説明があれば一番いいと思いますね」

福山市は、実証実験を今年度中にあと2回計画していて、来年度以降、事業開始できるよう進めています。宿泊料金は、1泊1組100万円程度の見込みだということです。

ちなみに城での宿泊が可能となれば、「福山城」が全国で3か所目だということです。他県の例では、愛媛県の「大洲城」は1泊1組2人で110万円(夕食・朝食付き)、長崎県の「平戸城」は1泊1組2人で66万円(現在はキャンペーンで夕食・朝食付き、サービス料別)だということです。

福山城の月見櫓には浴室がないなど、福山市は今後、ハード面・ソフト面について検証を重ねます。実証実験は、今年度中にあと2回計画されているということです。

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