「資源状態はやっぱり低い状態」サクラエビは劇的回復といえず… 2022年秋漁も“自主規制”継続ー静岡・清水区

不漁が続くサクラエビ漁に関して、関係者が10月18日に会合を開き、資源状況は厳しいとする調査結果が報告されました。2022年の秋漁も自主規制を続けながらの操業となります。

会合にはサクラエビの漁師や加工業者、県の研究機関などが出席し、現在の駿河湾の資源状況を共有しました。サクラエビをめぐっては、2018年に記録的な不漁となってから休漁や禁漁区の設定など厳しい自主規制をかけてきました。その効果もあって卵が多く確認できるなど変化の兆しはありますが、劇的な回復とは言えず厳しい状況が続いています。

<静岡県 水産・海洋技術研究所 小林憲一資源海洋科長>

「今のところ資源状態はやっぱり低い状態には変わりないが、それを段階的に上げるという意味だと、今やっている操業規制プラス環境が少しでも良くなることを期待しつつ、『待ち』になってしまうが、そういう状態を続けることが得策」

桜えび漁業組合では、2022年の秋漁も自主規制を継続して、これから卵を産む「稚エビ」をなるべく獲らない方針です。

<静岡県桜えび漁業組合 實石正則組合長>

「操業しながらいかに資源を増やすか。回復途上の中で無理をしないで、なるべく早い段階で資源量増やして、静岡に来れば新鮮なサクラエビが食べられる状況にしたい」

自主規制の具体的な内容は漁師たちでつくる船主会で最終的に決めるということです。2022年の秋漁は、11月1日から12月25日までです。

実際にサクラエビの漁獲量を見てみますと、2008年には1800トンを超える漁獲量がありました。しかし、徐々に減少が進み2018年には312トンと記録的な不漁となりました。そこから、休漁など厳しい自主規制を続けながらの操業が続いています。

以前と比べると、その差は歴然となっていますが、10月18日の会合の参加者は「いい傾向の話が多々あったので秋漁は期待している。着実に漁獲量が増えていってほしい」と語りました。漁獲量と資源保護のはざまでの模索が続いています。

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