あなたの食事を変える衝撃作!映画『ヴィーガンズ・ハム』はアンチ・ヴィ―ガン映画にして"真のヴィ―ガン映画"

肉屋夫婦のヴィーガン狩りを描く痛快肉食コメディ。コメディアン出身のファブリス・エブエが監督兼主演を務めるブラックコメディ。

結婚30年目を迎えるヴァンサンとソフィー、家業の肉屋も経営が苦しいどん底状態の中、ヴィーガンの過激派活動家たちに店を襲撃された。失望に暮れる中、襲撃犯の一人と出くわした二人はとっさに男を殺してしまい、処理に困った死体をあろうことかハムとして店頭に並べると、これが美味いと大好評となる。新たなハムの素材を仕入れるため、ヴィーガンレストランやデモに繰り出し次々とターゲットを狩っていくうち、屠殺工場で働いていた過去を帳消しにしようしていた襲撃犯たちの思いなどを知り、自分たちのしていることに葛藤を抱いていくことになる。

「奇書の世界史」著者 三崎律日よりコメント到着

人の主観で食べる・食べないなどの道徳的配慮の度合いを一方的に決めることを「種差別」という。 種差別のバイアスを取り払って見れば、豚の腸詰や牛のロースを並べている肉屋などは、人のそれを吊り下げているようなもの、というのが「一部の過激なヴィーガン」の主張である。本作はこうした「種差別」を逆方向へ過激に曲解した結果生まれたにちがいない。すなわち、「種差別は良くない?わかった!平等に食べるね!」 本作は過激なヴィーガンを皮肉った「反ヴィーガン映画」であるのと同時に、我々が普通にもつ「美味しいから殺して食べる」という無邪気な欲望もまた戯画化して突きつける「ヴィーガン映画」なのかもしれない。

動画投稿者・奇書愛好家 三崎律日

本作は、「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2022」にて公開

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