マスク着用「メリハリを」 琉球大大学院・山本教授が提言 長崎大リレー講座

マスク着用が特に必要な場面を具体的に示した琉球大大学院の山本教授=長崎市文教町、長崎大中部講堂

 メリハリをつけた上で「熱や風邪症状があるときは必ず着用を」-。ウィズコロナに向け社会経済活動の拡大が進む中、琉球大大学院医学研究科の山本和子教授は長崎市内の市民向け講座でマスク着用が特に望ましい四つの場面・状況を具体的に提言した。
 山本氏は9月まで長崎大学病院呼吸器内科の講師として新型コロナ禍の最前線で治療に当たってきた。講演で、マスクは感染の原因となる飛沫(ひまつ)の飛散防止に高い効果があると解説。ただ、先進7カ国(G7)を例に「2022年から日本以外は着用しなくなった」と世界情勢を紹介した。
 その上で社会経済活動の拡大のためにはマスク着用にメリハリがあってもいいとの認識を示し、「私案」と前置きした上で特に必要な場面について「熱や風邪症状があるときは絶対に」と強調。重症化リスクが高い人がいる病院と高齢者施設に入る際、さらに市中に感染が広がっている流行時も着用が望ましいとした。

社会活動拡大時でもマスク着用が望ましい場面

 政府は屋外での着用は原則不要とする一方、屋内では距離が確保できる場合などを除いて着用を呼びかけている。ただ、国民間では多様な意見があり、屋外でも着用している人は多い。
 山本氏は17日夜の長崎大リレー講座(同大主催、長崎新聞社共催)で「世紀の感染症 パンデミックで学んだこと」と題して講演した。今年の講座は「長崎から始めるプラネタリーヘルス 実現への挑戦」がテーマで9月に始まった。次回は11月9日に開く予定。


© 株式会社長崎新聞社