子猫4匹 片耳の一部切り取られる 虐待か、首に網状の物も 長崎県・大村

保護された子猫。耳には一部が切り取られた痕が見られる(山石代表提供)

 長崎県大村市杭出津1丁目の住宅街で片耳の一部が切り取られた子猫4匹が見つかった。何者かに虐待されたものとみられる。発見者で市内を拠点に地域猫活動に取り組む「おおむら桜ねこの会」の山石みほ子代表は「ショックだし、耳を切り取る目的が理解できない」と憤る。大村署もパトロールを強化し、不審者の発見などに努める。
 山石代表らによると、17日に地域猫活動の一環として不妊去勢手術を受けさせるための捕獲作業を実施。片付けをしていた午後6時ごろ、箱わなの一つに子猫が4匹入っているのを山石代表が見つけた。4匹は生後1カ月半から2カ月とみられ、いずれも耳の一部が切り取られていたほか、首に網のような物が巻き付いた猫もいたという。
 18日、猫を運び込んだ同市のはらだ動物病院が、虐待の疑いがあるとして県県央保健所に連絡。大村署員も立ち会い、状態を確認した。原田聡司院長は「普通のけがではなく、明らかに人為的に切り取られている。結膜炎などが疑われるが、現在のところ命に別条はない」としている。
 4匹は山石代表の団体でケアした後、地域猫に戻すか保護猫として新たな飼い主を探すか検討する。
 子猫が発見された地域では近年、捨て猫が増えており、不妊手術や管理について、住民から山石代表の団体に相談が寄せられていた。山石代表は「こうした行動が今後エスカレートしないか心配。野良猫問題を解決するためにも、地域猫を温かく見守ってほしい」と話した。
 2020年施行の改正動物愛護法では、動物虐待の罰則を強化。みだりに虐待や遺棄した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、殺傷した場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科せられる。


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