長崎IR公金差し止め訴訟 県側は争う姿勢 長崎地裁

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の長崎県誘致に向けたコンサルタント業務委託費を巡り、市民団体の有志が大石賢吾知事に公金の支出を差し止めるよう求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、長崎地裁(天川博義裁判長)であり、県側は争う姿勢を示した。
 IRを巡っては、ハウステンボス(佐世保市)に誘致する区域整備計画の認定審査に対応するため、県は計約1億1千万円の業務委託契約を法律事務所などと結んだ。一方、国に提出した計画に添付した資金調達に関するコミットメントレター(出資・融資の意思表明書)を公表しておらず、原告は調達の確実性を疑問視。国の基準を満たさず計画は認定されないとして、委託費を支出する必要性は認められないと主張する。
 県側は答弁書で「コミットメントレターは資金調達の確実性を裏付ける客観的な資料」などと反論。だが原告が求める証拠提出には応じられないとした。原告によると、裁判所は口頭弁論後の進行協議で、客観的な裏付けとなる証拠提出を県側に求めたという。
 原告は「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」の有志8人。委託費の支出中止を求め、6月に住民監査請求をしたが棄却され、これを不服として提訴した。


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