Wタイトルを狙うトヨタの新王者ロバンペラ「スペインで達成できたら最高」/2022WRC第12戦 事前コメント

10月21日から23日にかけて、スペイン北東部のリゾート地サロウを中心に、2022年シーズンのWRC世界ラリー選手権第12戦『ラリー・スペイン』が開催される。2年続けてピュア・ターマック(舗装路)ラリーとして行われる同イベントは、フラットでグリップレベルの高いステージでハイスピードコーナーが連続することから、ドライバーに人気のあるラリーだ。そんな今戦に向けてトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードの各陣営からドライバーコメントが発表されている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)

「スペインは素晴らしいはずだよ。僕は何年かこのイベントには出ていない。2018年が最後だった。でも、僕のお気に入りのイベントだ。スムーズなターマックでのラリーステージは、サーキットレースに一番近いものだ。高いグリップとスピードを楽しめるように、天気が良くてドライであることを期待している」

「ニュージーランドの前にテストを行ったが、とてもうまくいった。フィーリングがよかったから、シェイクダウンでもいい感触を見つけて可能な限り最高の結果を出せるようにしたい。シーズンを終えるのにターマックのイベントがふたつ残っているから、好調のまま終えたい。この不運を好転させられるか見てみるよ」

●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)

「スペインは1年のなかでもレーストラックでのラリーのような感じだ。道路はとても滑らかで、美しいところをドライブする。そこがプーマととても合っていると思う。テストは本当に順調だった。ほとんど変更を加えなかったけれど、マシンの感触は最初の走行から素晴らしかったので、楽しみにしている」

●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)

「クルマに戻ることができて本当にうれしい。これは素晴らしいラリーなんだ。流れるようなステージがある。WRCに復帰できて喜んでいるよ。テストはとてもうまくいったので、スペインで走行してその瞬間を楽しむことができるのは、本当にうれしいよ。チームとクルー全員のために、良い結果を出せるよう願っている」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)

「スペインを楽しみにしている。シーズン全体でそうであるように、マシンに自信を持てるだろうと期待している。テストを終えて、マシンに大きな自信を持っているし、スペインのターマックで素晴らしいパフォーマンスを発揮できると確信している」

「僕とヴァンサン(・ランデ/コドライバー)にとっては今年最後の走行になるから、1年を力強く終えたいと願っているよ」

Mスポーツ・フォードWRTのフォード・プーマ・ラリー1
Mスポーツは4台体制でラリー・スペインに臨む

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)

 「ラリー・スペインはフルターマックのイベントに戻ったので、かなりやりやすくなったと思う。道路はフラットで幅が広く、路面はスムーズだ。グリップレベルは多少の差はあれど、すべてのステージでほぼ同じ。あそこで速さを出すということは、優れたセットアップを決めて、マシンのよい流れを見つけることだ。そうしてできる限りハードにプッシュする」

「ギャップはいつもとても小さいので、レーストラックを走ってコンマ1秒単位で戦っているような感じだ。スペインでの3連勝を決められたら素晴らしいだろうね。先頭集団で戦い、ふたたび表彰台でフィニッシュすることを目指しているのは確かだ。最大限のパフォーマンスを発揮するのに全力を尽くし、チームに好結果をもたらすつもりだ」

●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)

「スペインは今シーズン初の本当のターマックラリーだと言えると思う。とてもスムーズだし、それと同時にかなりハイスピードだ。あそこでは適切なバランスを見つけることがいつも難しいので、走行中に大きな自信を持つことが必要だ」

「ステージには長くて速いコーナーが多く、アンダーステアと戦わなければならない。ヒョンデi20 Nラリー1のセットアップを正しく行わなければならないところだ。面白くて楽しめるラリーになると期待しているが、競争力を発揮して可能な限り多くのポイントを獲得することもとても重要だと思っている」

「クロアチアとベルギーでは、ターマックのパッケージがいかに優れているかを示すことができたから、スペインでもその勢いを維持することが目標だ」

●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)

「ラリー・スペインに行くことは、僕にとっていつも特別なことだ。僕のホームイベントで、幸運にも現地では多くのファンが応援してくれる。道路も好きだ。ドライブするのに素晴らしいところで、僕のスタイルに合っているからね」

「新しいハイブリッド車のヒョンデi20 Nラリー1で、初めて母国のステージをドライブすることに興奮している。素晴らしい経験になるはずだ。カンディード(・カレラ/コドライバー)と僕は好成績を挙げてきている。この調子を同胞の前で続けられるように全力で進むよ。ラリーを見に大勢の人たちが来るだろうから、毎年そうしているように、勝利をもたらすために最善を尽くすつもりだ」

2021年大会優勝のティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組と、同3位となったダニ・ソルド/ガンディード・カレラ組(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「昨年から完全なターマックラリーに戻ったスペインは、とても楽しめるラリーだ。このクルマで走るターマックラリーとしては、ここまででもっとも楽しめる一戦となるものと見ている」

「ひとつ前のターマックラリーだったベルギーでも我々には強さがあったが、スペインは性格が大きく異なるイベントだ。ステージ自体はモンテカルロに似ているけど、スペインは気温も路面コンディションもまったく違う。例年タイム差が非常につきにくいラリーだから、今回も厳しい戦いになるだろう」

「マニュファクチャラーズタイトルの獲得はチームにとって重要な目標であり、それを達成するもっとも簡単な方法は、良い結果を出すことなので、チームのためにも最高の結果を残したいと思っている」

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「自分たちがニュージーランドで成し遂げたことの喜びを数日間味わえたのは良かったが、ラリーはまだ2戦残っているし、可能な限り高いパフォーマンスを発揮したいと思うので仕事を止めたりはしない。実際、先週ヨーロッパに戻ってすぐラリー・スペインの事前テストに参加し、クルマに乗り込んだ」

「現在の大きな目標はマニュファクチャラーズタイトルを獲得することだが、もしスペインでそれを達成できたら最高だ。スペインはハイスピードで流れるようなコーナーが続くとてもいいラリーで、サーキットにもっとも近いステージといえる」

「その分、非常に正確なドライビングが要求されるけど、うまく走ることができたときは、本当に楽しく感じられるんだ」

●セバスチャン・オジエ(#1 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「数カ月のブランクがあった自分にとって、ラリー・ニュージーランドはいい復帰戦になった。ワン・ツー・フィニッシュに貢献することができ、マニュファクチャラーズタイトルの獲得に大きく近づいた素晴らしい週末となったが、次のスペインではそのタイトルを決めることが目標だ」

「シーズンの終わりがターマックラリー2戦というのは、自分にとって非常にいいことだし、チームにとって特別な一戦である『ラリージャパン』に向けて、スペインは、ターマック路面での走りのリズムを掴み、可能な限りの準備を行ういい機会となるだろう」

「ただし、その前にまずはスペインでも最高の結果を残さなくてはならない。スペインの道はいつ走っても運転が楽しく感じられるし、今回も力強く優勝を争うことができると確信している」

2021年のラリー・スペインで総合2位となったエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)
前戦ニュージーランドでWRC史上最年少チャンピオンに輝いたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)

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