【店頭トレンド発信】3年振りのリアル開催だったドラッグストアショーの魅力を振り返る

【2022.10.19配信】2022年8月、東京ビックサイトで第22回JAPANドラッグストアショーが開催された。ドラッグストアショーとは医薬品・化粧品・日用雑貨などドラッグストアで扱う商品が一堂に会するアジア最大級の展示会だ。ドラッグストア業界にかかわりのある数多くのアイテムと取り組みが展示対象であり、ドラッグストアの魅力を最大規模で届けてくれる一大イベントとなっている。今回は約3年振りのリアル開催として再始動を遂げたドラッグストアショーに潜入。開催を重ね、規模を拡大し続けたドラッグストアショーの魅力を振り返る。【記事=登録販売者ライター・「梨さん」】

1、 豊富な商品数と五感で楽しめる個性的ブース/『試手洗い体験』や消臭効果体験ブースなども

ドラッグストアショー第一の魅力は、展示される商品数の多さと個性豊かな展示だ。
今年の出展企業数は300社超え。目移りしてしまうほどのブース・商品が連なって展示されており、商品の実物を実際に見たり触ったりすることができる。どのブースも企業イチオシ商品を大々的に展示しているため、目に映る商品がドラッグストアで見るより魅力的に見えたり華やかに見えたりして、来場者の気持ちを高めてくれる。
カラーバリエーションの多い化粧品やマスクなどの商品も余すところなく展開されているため、テレビやSNSによる宣伝映像では把握しにくい商品のサイズ感や細かい色合いを自分の目でしっかり確かめることができるのもポイントだ。

商品の特色に合わせて彩られたブースと展示方法は多種多様。シンプルに商品を展示して自由に見てもらう一般なスタイルから、しっかり時間を使って商品説明してくれる講義型、映え重視のSNS投稿型など、ブース毎に色んな特徴があり誰でも楽しめる工夫が施されている。

一番印象に残ったブースは、体験型ブースだ。五感に働きかけるようなプログラムで体験後も商品の印象がしっかり残るつくりになっていて魅力的であった。

某ハンドソープブースではロングセラー品と高価格品の洗いあがりの比較ができる試食ならぬ『試手洗い体験』を実施。ご時世がらもあり「気軽に手洗いができて、商品比較もできる唯一の体験ブース」として人気の列をなしていた。

芳香剤ブースでは置き型の消臭剤の効き目を知ってもらうため、来場者に不快なニオイサンプルを嗅がせた後に消臭剤を使い効果があるのか…という思い切った体験をさせてくれた。不快なニオイを嗅ぐのはもちろん強制ではなく、希望者のみの体験ではあるが好奇心旺盛な方にはとても楽しめる体験だった。(私はもちろん嗅ぎました。消臭効果も完璧ですごく印象に残ったブースでした。)

毛染めブースではゲストのオペラ歌手が曲に乗せて商品特長を熱唱。遠くにいても美しい歌声が届くので毛染めを使わない私でもついつい足を運んでしまった。集客力の高さを見せつけたブースでとても印象に残った。

上記はほんの一例であるが、自社商品に興味を持ってもらえるよう、どのブースも創意工夫を図っている。
そのため空間全体が活気に満ち溢れていて、ちょっとしたお祭り感覚で商品やブースを見てまわることができる。(大規模のドラッグストア文化祭のほうが表現として近いかもしれない。)
生活に馴染みのある商品で開催されるイベントだからこそ、来場者の誰もが前のめりになって楽しめるイベントだ。

2,メーカー担当者から聞ける新鮮で確かな情報/店員だからこそCMやSNSなどでは物足りない商品情報ゲットは貴重

ドラッグストアショー第二の魅力は、企業やメーカー担当者から直接商品特長を聞けることだ。

ブースにメーカー担当者が在席していることがあり、タイミングがあれば商品について直接お話しすることができる。愛用しているアイテムについて細かく聞いたり、商品愛用者として喜びの声を直接お伝えしたりすることも可能かもしれない。(私は運よくアイ〇スオーヤマ担当者とお話しできる機会があり、『マスク品薄騒動時の迅速な製造と対応』への感謝を伝えることができた。)

最大のポイントはメーカー担当者から話を聞くことで商品特長をしっかり理解できることだ。
日常生活の中で商品を知るきっかけの多くはテレビCMや動画サイト内の広告だったりするだろう。しかし、広告のたった数秒、限られた時間では商品のなんとなくのイメージしか頭に残らず、実際どんな商品なのか概要を掴み切れないことが多い。
そんな印象が薄くなりやすいところを体験型ブースや担当者による解説で補完し、商品の魅力をしっかり理解することができる。ドラッグストア店員では知り得ない商品知識をメーカー担当者から聞くことができるので、「普段買い物する中で店員の知識だけじゃ物足りない…」という方には大変良い機会なのではだろうか。

また、昨今ではSNSによる口コミで商品の売上が左右されることもしばしばだが、ネットでの情報では誤った使用方法や商品情報が流れることも多い。実際の情報と乖離が生まれ、「話題性があるから買ってみたけど思ったものと違った…」というミスマッチが起こることも少なくない。商品と購入者の間をインフルエンサーではなく、メーカー担当者が取り持つことで致命的なズレを少しでも防ぐことが出来る。実際に作っているメーカー側も商品情報を正しくターゲット層に届けることが出来るため、商品と商品購入者をつなぐ架け橋の効果も担っている。

商品を何となく使うよりも商品特長を理解しながら使ったほうが商品に対する満足度もあがるのは間違いなく、購入者もメーカー担当者もwin-winの関係をつくれる。新しい商品との出会いも今まで使っていた商品の更なる魅力に気付くことができるのもこのイベントならではの楽しみ方だ。

まとめ/商品と来場者の距離をぐっと近づけてくれるイベントがドラッグストアショー

昨今は新型コロナウイルスによる影響でイベント中止を余儀なくされていたが、今年は約3年振りのリアル開催を実施することとなった。リアル開催に向けて様々な話し合いがあったのは想像に難くないが、3年前とほぼ同規模での開催となり、ドラッグストア業界に明るい兆しを感じるイベントとなった。

ドラッグストアの商品ってこんなにあったんだ…という驚きと、こんなに魅力的な商品があるんだ!という発見が必ずあり、商品と来場者の距離をぐっと近づけてくれるイベントがドラッグストアショーである。どんな生活スタイルでもくらしを豊かにするヒントを提供してくれるので、暮らしに彩りを持たせたい方にもおすすめだ。

ブースによってはお土産としてサンプル配布しているところもあるので、イベントが終わった後もお土産が試す楽しみが残っていて帰宅中もワクワクする。

この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたなら、次回開催の時は是非足を運んでみてほしい。ドラッグストア業界のお祭りを堪能できるのはここだけだ。

「第22回 JAPANドラッグストアショー」 主催:日本チェーンドラッグストア協会 リアル会場は2022年8月19日(金)・20日(土)・21日(日)の3日間開催された

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