出島処分場、10年延長へ 埋め立て期間で広島県、搬入想定下回る

 広島県が出島処分場(広島市南区)への廃棄物の埋め立て期限を10年延長する方針を固めたことが18日、分かった。新たな期限は2034年6月になる見通し。廃棄物の搬入量が想定を大幅に下回り、24年6月までの期限内に計画通りに処分場を満杯にするのが困難と判断した。

 関係者によると、今月11日に県の担当者と住民代表たちでつくる協議会の会合があり、県の提案を住民側が受け入れた。県は24年6月までに住民側と結んでいた協定書を改定する。

 出島処分場は県が約502億円をかけて整備し、14年6月に廃棄物の搬入を始めた。住民側との合意で埋め立て期間は10年としていたが、全容量190万立方メートルに対し21年度末の累計埋め立て量は21・8%の41万4千立方メートルにとどまる。現状のペースで100%になるのは41年度という。

 当初計画では年平均19万立方メートルを埋め立て、10年間で処分場を満杯にするとしていた。環境意識の高まりで廃棄物を減らす企業の取り組みが進んだ影響もあり、21年度の年間埋め立て量は9万8千立方メートルに抑えられている。

 県は昨年6月から今後の対応について地元住民と協議。埋め立て期間を延ばすと同時に期間短縮にも努め、進行状況を住民へ報告することや地元の地域振興に取り組む姿勢を示した。

 協議会委員で出島町内会の谷嵜矩明会長(74)は「埋め立てを途中でやめるわけにはいかず延長はやむを得ない。県は早く埋め立てを終えるよう努力してほしい」としている。

埋め立て期間が10年延長される出島処分場=手前右(2022年9月21日)

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