岡山市は19日、たんの吸引やチューブで栄養を送る「経管栄養」などを日常的に必要とする「医療的ケア児」について、市立の保育園や幼稚園での受け入れを2023年4月から始めると発表した。要件や利用開始までの流れ、申し込み方法を市幼保運営課のホームページ(HP)で公開している。
市によると、対象年齢は3歳児クラス以上が基本で、受け入れは3人程度。病状が安定していて集団での保育が可能なことなどが条件で、ケア実施が短時間の場合は市が委託する訪問看護ステーションからの巡回支援とし、必要に応じて看護支援員を配置する。
認定こども園を含めた市立園で受け入れ、対応可能なところをHPで紹介。申し込みは保育園と認定こども園が11月1~18日、幼稚園が23年1月10~20日だが、申請前に医療的ケア児・病児等相談窓口(803―1227)への相談が必要となる。
医療的ケア児は医療技術の進歩による救命率向上で増加傾向にあり、国推計では全国で約2万人に上る。21年9月には医療的ケア児の社会支援促進などを定めた法律も施行されている。
市幼保運営課は「安全安心を第一に、保護者のニーズも踏まえながら対応していきたい」としている。