ブレーキシューやドラムに焼けた跡や亀裂 「フェード現象」の痕跡かー静岡・観光バス横転27人死傷事故

10月13日、静岡県小山町の「ふじあざみライン」で観光バスが横転し、27人が死傷した事故で、バス本体を検証した結果、ブレーキの一部が溶けた状態だったことが分かりました。ブレーキが利かなくなるフェード現象が起きていたと見られます。

この事故は10月13日、静岡県小山町須走の「ふじあざみライン」で観光バスが横転し、1人が死亡、26人が重軽傷を負ったものです。これまでの取り調べで、逮捕された運転手は「ブレーキが利かなくなった」と供述していて、バスは事故現場の400m以上手前から制御不能になったとみられています。

ブレーキシューやドラムに焼けた跡や亀裂 「フェード現象」の痕跡か

このバスのブレーキは「ドラム式」と呼ばれるタイプで、フットブレーキを踏むと車輪の内側にある「ブレーキシュー」が押し当てられ、摩擦の力によってブレーキが利くという仕組みです。

捜査関係者によりますと、バス本体を検証した結果、ブレーキシューとドラムに焼けた跡があり、一部は溶けていたことが分かりました。また、ドラムには、ブレーキシューとの摩擦熱によって発生するヒートクラックと呼ばれる亀裂があったことも確認されたということです。

ドラム式ブレーキ

警察は、フットブレーキの多用によってブレーキが利かなくなるフェード現象が発生し、事故につながった疑いがあるとみて調べを進める方針です。

ヒートクラックと呼ばれる亀裂があったことを確認

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