「楽しみにしている。もうすぐなので」28日に藤井五冠が初防衛めざす“竜王戦”3局 注目の一戦を前に富士宮の関心、熱気も急上昇【現場から、】

いよいよ10月28日から2日間、将棋タイトル戦の最高峰とされる竜王戦が静岡県富士宮市で行われます。注目の「勝負メシ」に「おやつ」と、藤井聡太竜王のタイトル初防衛がかかる注目の一戦を前に、地元の熱気は高まっています。

静岡県の富士宮市役所に設置された等身大パネル。10月28日から2日間、富士宮市で行われる竜王戦では、現竜王の藤井聡太五冠と挑戦者で元竜王の広瀬章人八段が対局します。七番勝負で争われる竜王戦は初戦で広瀬八段が勝利、10月21日から京都で第2局が行われ、富士宮市の「割烹旅館たちばな」で第3局を迎えます。

<富士宮市民>

「もの凄いこと。感動している。考えらない、富士宮に来るなんて。続いてくれると良いなと思っている」

「話題になっている。楽しみにしている。もうすぐなので」

注目の対局を前に市民の期待も高まります。タイトル戦最高峰とされる竜王戦、対局内容はもちろんですが、毎回注目を集めるのが対局中に食べる「おやつ」です。富士宮市にある洋菓子店で40年以上前から販売しているという、かわいらしい見た目のタヌキのケーキ。対局中に食べられるかもしない、おやつ候補の一つです。

<天野大輔記者>

「バターの香ばしい味とコーヒーのほんのりとした苦味が口いっぱいに広がります。見た目のインパクトに負けない美味しいケーキです」

<長崎屋洋菓子店 高比良悦子さん>

「ロングランの商品なので、もしかしたら若い藤井さんにも、逆に新しい感じがするのかなと思い、バタークリームがメインの『タヌキのケーキ』でエントリーしてみた」

富士宮市は竜王戦を盛り上げるため、市内の菓子店などから、おやつ候補を募集。38点の応募があり、市民投票などによって、7つがおやつ候補に選ばれました。今回の対局に向けて新たに作られたお菓子もあります。

<華月 久保田とも子さん>

「こちらがそのお菓子。富士山をイメージして作り上げた」

市内の老舗和菓子店が竜王戦に向けて手掛けた見た目も美しいスイーツ。名前は「森林限界を越えて」。富士山麓の森林をイメージした抹茶ようかんの上に、岩場を表現した落花生ペースト、上の赤い部分は赤富士に見たてイチゴを使いました。

形にしたのは和菓子店ですが、開発を手掛けたのは富士宮市の高校生たちによる「富士宮高校会議所」です。

<富士宮高校会議所 2年生リーダー 勝亦海吏さん>

「藤井竜王が今年の2月に記者会見で、『自分はまだ森林限界の手前』と言っていた。竜王戦を行う時に、森林限界のさらに上の高いてっぺんまで行ってもらいたいという想いを込めて『森林限界を越えて』という名前にした」

おやつの公募をきっかけに、高校会議所のメンバーの間では将棋に興味を持つ生徒が増えたといいます。

<富士宮高校会議所 2年生リーダー 勝亦海吏さん>

「おやつコンテストで(竜王戦が)来るというのを聞いて、それで将棋を興味持って、やろうかなと思ったのがきっかけ」

竜王戦はどんなレガシーを富士宮市に遺すのか?将棋への関心も、まちも熱を帯びています。

<井手春希キャスター>

こちらが、おやつコンテストの結果、候補に選ばれた7つです。おやつは対局中に、最大で4回食べるタイミングがあるそうです。そして、勝負メシの候補も明らかになりました。やはり富士宮ということで、候補に「富士宮やきそば」や牛・豚などが入っています。そして、隣の富士市の田子の浦のシラスなども、実は候補リストに載っているんです。注目の対局は、10月28日の金曜日から始まります。

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