存続求め署名活動開始 寄宿舎閉舎巡り、栃木特別支援学校保護者が会見

寄宿舎の存続を求め、会見に臨んだ伊藤さん(右)と筧さん=19日午後、県庁記者クラブ

 栃木県教委が特別支援学校寄宿舎2カ所の閉舎を決定したことを巡り、栃木市の栃木特別支援学校の保護者2人が19日、県庁記者クラブで記者会見を開き、寄宿舎の存続を求める署名活動を始めたことを明らかにした。

 2人は、子どもが寄宿舎を利用する筧三枝子(かけひみえこ)さん(52)と伊藤陽子(いとうようこ)さん(50)。同校の児童生徒は257人で、本年度は30人が寄宿舎を利用しているという。

 筧さんは中学部3年の次女(14)について「お風呂に入る用意や部屋の掃除など社会に出るに当たって必要なことが身に付いた。大切な場所がなくなることは問題で、皆さんに知ってもらいたい」と訴えた。

 県教委は昨年11月、施設の老朽化や通学困難者の減少などを理由に、同校と那須特別支援学校の寄宿舎を本年度末で閉舎すると発表。那須では存続を求める保護者らが計画の一時停止を求める陳情書を県議会に提出している。

 栃木では署名活動とともに、陳情書も県議会に提出する予定。伊藤さんは「これから先も利用したいお子さんがいて声を上げないと後悔すると思った。内外から訴えていかなければならないと思う」と語った。

 一方、会見を受けて県教委は「理解をいただけるよう丁寧に説明する」とした。

© 株式会社下野新聞社