特殊詐欺の容疑者逮捕に貢献、真岡署が感謝状 1カ月で2件「まれなケース」

大貫署長(右端)から感謝状を受け取ったヤマト運輸の谷さん(中央)と現営業所長の栗田恭行さん

 特殊詐欺被害の未然防止と容疑者逮捕に相次いで貢献したとして真岡署は19日までに、ヤマト運輸益子営業所(栃木県益子町塙)と栃木銀行真岡支店(真岡市田町)の行員に感謝状を贈呈した。同署によると、1カ月間に2件の特殊詐欺被害を未然に防止し、それぞれに関わる容疑者を各1人逮捕したのはまれなケース。

 同営業所は9月上旬、長男を装った者からうその電話を受けた益子町、70代無職女性から、現金約300万円を宅配便で送付した後に宅配中止を依頼され、警察に配送状況を通報するなど捜査に協力した。

 当時の営業所長で、同社栃木主管支店営業担当マネージャー谷新也(たにしんや)さん(47)が配送先の神奈川県内の営業所へ連絡。同署員が送付先へ現れた男を逮捕した。

 谷さんは「お客さまに迷惑をかけず、未然に防げたのは喜び」と話した。

 大貫彰久(おおぬきあきひさ)署長は「現金が被害者の手元に戻り、被疑者も逮捕することができ、めったにない好事例」と感謝した。

 栃木銀行真岡支店は9月下旬、来訪した70代高齢夫婦から「200万円を下ろしたい」との申し出を受け、特殊詐欺を疑い警察へ通報。その結果、高齢夫婦宅付近を警戒していた同署員が男に職務質問し逮捕につながった。

 感謝状は、支店長の平船徳章(たいらぶねのりあき)さん(50)、次長の黒尾聡(くろおさとし)さん(49)、窓口担当の大久有紀(おおひさゆき)さん(50)へ贈られた。大久さんが特殊詐欺を疑い、黒尾さんと高齢夫婦へ対応し、その後、平船さんが通報した。

 平船さんは「お客さまの大事な資産を守れて良かった」と振り返った。

大貫署長(右端)から賞状を受け取った(左から)栃木銀行真岡支店の大久さん、黒尾さん、平船さん

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